シュレッダーのセキュリティレベルとは
同じ「4」で1.8倍違います
そもそも、どんな商品か
書類を細かく切るシュレッダーについて、商品に書かれた「セキュリティレベル」という数字が何を意味するのかを確かめた記事です。法人向け家具通販「オフィスコム」の掲載品で数えました。
どれがおすすめかを選ぶ記事ではありません。レベルの数字だけで選べるのかを確かめたものです。
まず結論だけ
- 87点のうち裁断サイズを書いているのは43点、セキュリティレベルを書いているのは21点。どちらも書いていないものが29点ありました
- 同じ「レベル4」で、細断片は75㎟と136㎟(1.8倍)。「レベル3」の84㎟が「レベル4」の136㎟より細かいという逆転もあります
- 国の基準に数字はありません。個人情報保護法のガイドラインは「焼却、溶解、適切なシュレッダー処理等の復元不可能な手段」とだけ書いています
- 7段階を決めているのはドイツ規格のDIN 66399。エコマークの解説は、国内の業界はこの規格を意識して開発していないと書いています
同じ店で売られているシュレッダーを2台、並べます。どちらも商品名は「セキュリティーレベル4」です。
- 片方の細断片は3×25mm。面積にすると75㎟
- もう片方の細断片は4×34mm。面積にすると136㎟
同じ数字を名乗っていて、細かさは1.8倍違います。
この記事では、レベルの数字を「◯×◯mm」に置き換えて読む手順を書きました。給与明細や住所の載った封筒を捨てる機械を選ぶとき、レベルの数字で何が言えて、何が言えないかが分かります。
価格・仕様・掲載点数は2026年8月25日に確認しています。
結論:「レベル4」では細かさが分かりません。見るのは◯×◯mmです
先に答えを書きます。シュレッダーの「セキュリティレベル」とは、細断片の細かさを段階の数字で表したものです。この言葉には2つの意味があり、名前が同じで中身が結びついていません。
- ドイツ規格が決めた7段階の物差し
- 日本のメーカーが商品名に書いている数字
起きることは3つです。
- 同じ「レベル4」でも、細断片の大きさは製品によって違う
- 「レベル3」の製品が「レベル4」の製品より細かいことがある
- レベルを名乗っていない製品のほうが、名乗っている製品より細かいことがある
確かめる方法は1つだけです。レベルの数字ではなく、細断サイズ(◯×◯mm)を見ることです。

「適切なシュレッダー処理」の細かさは、国の文章からは決められません
個人情報が載った書類の捨て方は、国のガイドラインに書かれています。
(個人データが記載された書類等を廃棄する方法の例) ・焼却、溶解、適切なシュレッダー処理等の復元不可能な手段を採用する。
出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編) 別添「講ずべき安全管理措置の内容」178ページ(確認日 2026-08-25)
「適切な」としか書かれていません。このガイドライン全体を検索しても、細断片の大きさを示す数値は出てきません。
国が数字を決めている場面もあります。国の機関が物品を買うときの基準に、シュレッダーの項目があります。この基準は、グリーン購入法の基本方針と呼ばれるものです。
表は横にスクロールできます
| 国が決めている数字 | 内容 |
|---|---|
| 待機時消費電力 | 1.5W以下 |
| 低電力モードへの 移行時間 |
出荷時10分以下 |
| 特定の化学物質 | 鉛・水銀など6物質の 含有率基準 |
出典:環境物品等の調達の推進に関する基本方針(令和8年2月3日変更閣議決定) 87ページ「7-1 シュレッダー」(確認日 2026-08-25)
電気と化学物質です。細断片の大きさは、判断の基準にも配慮事項にも出てきません。

ドイツ規格の7段階は「上限」です。同じレベルでも細かさは同じではありません
細断片の大きさを7段階で決めているのは、ドイツ規格協会のDIN 66399です。国際規格にもなっていて、番号は次の通りです。
- ISO/IEC 21964-1:2018(情報技術-データ媒体の破壊)
- 確認日 2026-08-25
7段階の中身は、エコマークの認定基準の解説に日本語の表で載っています。
表は横にスクロールできます
| レベル | 条件 |
|---|---|
| 7 | 面積5㎟以下 かつ 幅1mm以下 |
| 6 | 面積10㎟以下 かつ 幅1mm以下 |
| 5 | 面積30㎟以下 かつ 幅2mm以下 |
| 4 | 面積160㎟以下 かつ 幅6mm以下 |
| 3 | 面積320㎟以下 または 幅2mm以下(長さ無制限) |
| 2 | 面積800㎟以下 または 幅6mm以下(長さ無制限) |
| 1 | 面積2000㎟以下 または 幅12mm以下(長さ無制限) |
出典:エコマーク商品類型No.161「シュレッダーVersion1」解説 6ページ 表1(制定日2017年11月1日・確認日 2026-08-25)
ここで大事なのは、この規格が決めているのは上限だけだということです。面積48㎟の製品も面積160㎟の製品も、どちらも同じレベルになります。レベルが同じでも、細かさは同じではありません。



もう1つ大事なのが、5以上には「かつ」が付くことです。条件の面積30㎟以下と幅2mm以下は、両方を満たす必要があります。面積が足りていても、幅が広ければレベル5ではありません。
あとで出てくる51万円の製品が、ちょうどこの形です。
この規格と日本の商品名の数字は、そもそも結びついていません。同じエコマークの解説にこう書かれています。
国内のシュレッダー業界では、DIN66399によるセキュリティレベルを意識して製品開発が行われていない現状にあり、馴染みが薄い概念である
規格を作った側ではなく、国内の認定制度を作る側がそう書いています。
8点を突き合わせると、「レベル3」が「レベル4」より細かい製品がありました
オフィスコムの商品ページを開いて、仕様欄の細断サイズを写しました。商品名にサイズが書いてあるものは、その表記を使っています。面積は、当サイトが縦と横を掛けた値です。
表は横にスクロールできます
| 表示 | 細断サイズ | 面積 | 価格 |
|---|---|---|---|
| セキュリティーレベル3 | 6×14mm | 84㎟ | 694,400円 |
| セキュリティーレベル4 | 3×25mm | 75㎟ | 409,500円 |
| セキュリティレベル4 | 4.0×30mm | 120㎟ | 195,800円 |
| セキュリティーレベル4 | 4×34mm | 136㎟ | 49,900円 |
| レベル:P-4 | 4×12mm | 48㎟ | 31,900円 |
| レベル:P-4 | 4×40mm | 160㎟ | 23,690円 |
| セキュリティレベル5 | 2.0×15mm | 30㎟ | 211,600円 |
| セキュリティーレベル5 | 3×10mm | 30㎟ | 512,200円 |
読み取れることが3つあります。
- 同じ「レベル4」で、75㎟から136㎟まであります。 1.8倍です。P-4の表記まで含めると48㎟から160㎟で、3.3倍になります
- 「レベル3」の84㎟は、「レベル4」の120㎟や136㎟より細かいです。 数字が大きいほど細かい、とは限りません
- ドイツ規格に当てはめると、この8点のうち7点がレベル4に入ります。 6×14mmの「レベル3」も、面積84㎟・幅6mmなのでレベル4の条件を満たします




一覧の3点に1点は、細かさを比べる手がかりが商品名にありません
オフィスコムのシュレッダーは約90点が掲載されています。2026年8月25日に数えて88点でした。
うち1点はシュレッダー本体ではなく、オプションのペーパーラックです。以下は87点で数えています。商品名に何が書かれているかを数えると、こうなります。
表は横にスクロールできます
| 商品名の表記 | 点数 | 割合 |
|---|---|---|
| 裁断サイズ(◯×◯mm) | 43点 | 49.4% |
| セキュリティレベル | 21点 | 24.1% |
| 両方 | 6点 | 6.9% |
| どちらもなし | 29点 | 33.3% |
3点に1点は、細かさが分かる情報が商品名にありません。 商品ページを開けば、仕様欄に細断サイズが載っていることが多いです。一覧を眺めているだけでは比べられません。



レベルを書いている21点の内訳は、2通りです。
- P-4のようにアルファベット付きで書いたもの=3点。いずれも海外ブランドの製品
- 「レベル4」と数字だけのもの=18点
細断方式も数えました。
表は横にスクロールできます
| 方式 | 点数 |
|---|---|
| クロスカット | 37点 |
| マイクロカット | 34点 |
| マイクロクロスカット | 5点 |
| ダブルカット | 4点 |
| ミニカット | 4点 |
| マルチカット | 1点 |
| 記載なし | 2点 |
方式の名前も7種類あります。 マイクロ・ミニ・ダブル・マルチのそれぞれが何mmを指すのかは、規格では決まっていません。
価格は5,670円から987,800円まででした。中央値は59,500円です。中央値とは、小さい順に並べたときにちょうどまん中に来る値のことです。
サイズが分かる43点の面積は、20㎟から164㎟でした。面積の中央値は30㎟です。この43点をドイツ規格に当てはめると、内訳はこうなります。
- レベル5相当=25点
- レベル4相当=17点
- レベル3相当=1点

面積が同じでも、幅が2mmを超えると規格の「レベル5」には入りません
いちばん分かりやすい例を2つ並べます。
表は横にスクロールできます
| ダブルカットのA3機 | マイクロカットのA4機 | |
|---|---|---|
| 表示 | セキュリティーレベル5 | 表示なし |
| 細断サイズ | 3×10mm | 2.0×14mm |
| 面積 | 30㎟ | 28㎟ |
| 幅 | 3mm | 2.0mm |
| ドイツ規格では | 幅の条件(2mm以下)を 満たさない |
面積・幅とも レベル5の条件内 |
| 価格 | 512,200円 | 38,990円 |
面積はどちらも30㎟前後です。違うのは幅です。
条件は、面積30㎟以下と幅2mm以下の両方です。幅3mmの製品は、ドイツ規格ではレベル5になりません。いっぽう、レベルを1文字も名乗っていない38,990円の製品は、条件を満たしています。

細かくするほど、1回に入れられる枚数は減ります
日本のシュレッダーの業界団体は、Q&Aでこう答えています。団体の名前は、ビジネス機械・情報システム産業協会です。
Q:細断屑のサイズは小さいほうが良いのですか? A:細断屑が小さいほうが機密性は高いと言えます。但し、細断屑が小さくなるほど一回で細断できる枚数が少なくなる傾向があるため、一概に小さいほうが良いとは言えません。 ※必ずしも細断屑が小さければセキュリティが保証されるわけではありません。
出典:シュレッダQ&A(一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会 シュレッダ部会・確認日 2026-08-25)
この協会のシュレッダのサイトには、「セキュリティレベル」も「DIN」も出てきません。 当サイトが開いた12ページで0回でした。
協会が作っているのは別の基準です。
文書細断機(シュレッダ)により幼児の指が欠損するという事故が発生したことを踏まえ、(中略)シュレッダ可動部の安全対策を見直し
出典:シュレッダ可動部の安全に関するガイドライン<第3版> まえがき(令和4年8月1日改訂・確認日 2026-08-25)
このガイドラインは17ページあります。「セキュリティ」「個人情報」「細断片」という言葉は0回です。試験指やくさび形プローブを使って、指が刃に届かないことを確かめる内容でした。
日本で決められているのは、指を守るほうです。情報を守る細かさの数字は、ドイツの規格にしかありません。

買う前に確認しておきたいこと



1つめは、細断サイズです。 レベルの数字ではなく、◯×◯mmを見てください。商品名に書いてあるのは87点のうち43点で、無ければ商品ページの仕様欄にあります。
2つめは、幅です。 面積が同じでも、幅が2mmを超えると規格上のレベル5ではありません。細かさを求めるなら、幅2mm以下を選ぶことになります。
幅2mm以下は、マイクロカットと呼ばれることが多い方式です。クロスカットとは、紙を縦横に切る方式のことです。マイクロカットはそれをさらに細かくした方式の呼び名で、何mmからそう呼ぶかの決まりはありません。
3つめは、定格使用時間です。 これは続けて使える時間の上限のことで、超えると本体が熱を持って止まります。実測した範囲では10分から120分まで開きがありました。
まとめて捨てる日があるなら、ここが効きます。
4つめは、1回に入れられる枚数です。 細かく切る機種ほど、1回の枚数は少なくなる傾向があります(協会のQ&Aもそう書いています)。細かさと速さは引き換えです。
5つめは、紙以外を切るかどうかです。 CD・カード対応をうたう製品がありますが、対応の範囲は製品ごとに違います。
6つめは、置き場所と搬入です。
- A3対応=87点中20点
- 業務用は50kgを超えるものがあります
まとめ
- シュレッダーの「セキュリティレベル」には、ドイツ規格の7段階と、商品名の数字の2つがあります
- ⭐同じ「レベル4」で、細断片は75㎟と136㎟。1.8倍違います
- ⭐「レベル3」の84㎟が、「レベル4」の136㎟より細かいという逆転もあります
- ⭐512,200円の「レベル5」は幅3mmで、ドイツ規格のレベル5の条件(幅2mm以下)を満たしません。38,990円の表示なしの製品は満たします
- 国のガイドラインは「適切なシュレッダー処理等の復元不可能な手段」とだけ書いていて、大きさの数字はありません
- 国が調達で決めている数字は、待機電力1.5W以下と移行時間10分以下。細かさではありません
- エコマークの解説は、国内の業界はDIN 66399を意識して製品開発していないと書いています
- 業界団体の基準は可動部の安全(幼児の指の事故がきっかけ)で、「セキュリティ」は0回です
- 見るべきは細断サイズと幅。87点のうち商品名に書いてあるのは43点でした

- レベルの数字では、細かさは決まりません。同じ「レベル4」で75㎟と136㎟、「レベル3」が「レベル4」より細かい逆転もありました
- 見るのは幅と面積の2つです。幅3mmの51万円の製品は、ドイツ規格のレベル5の条件を満たしません
- 商品名で分かるのは87点中43点です。無ければ商品ページの仕様欄で、◯×◯mmを確かめてください
同じ店の鍵付き収納は、オフィスコムの金庫からどうぞ。
この記事の出典
この記事は、オフィスコムの「シュレッダー」カテゴリの掲載品を数えたものです。一覧を1ページ100件で開きました。取得したのは88点です。
うち1点はオプション品のため、集計は87点です。集計は2026年8月25日に当サイトが行いました。
細断サイズと表示の突き合わせは、合計8点が母数です。内訳は次の通りです。
- 当サイトが商品ページを開いて仕様欄を読んだもの=6点
- 商品名にサイズと表示の両方があるもの=2点
87点すべての商品ページを開いたわけではありません。掲載点数・価格は変動しますので、購入前に必ず公式サイトでご確認ください。
面積は、当サイトが細断サイズの縦横を掛けて計算した値です。ドイツ規格に当てはめた分類も、公表されている細断サイズから当サイトが判定したものです。メーカーや第三者機関の認証ではありません。
商品名の「セキュリティレベル」がどの規格に基づく数字なのかは、商品ページからは確認できませんでした。
- シュレッダー カテゴリ一覧(オフィスコム)
- 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(個人情報保護委員会)— 廃棄方法の例
- 環境物品等の調達の推進に関する基本方針(令和8年2月3日変更閣議決定)(環境省)— 87ページ「7-1 シュレッダー」
- エコマーク商品類型No.161「シュレッダーVersion1」解説(公益財団法人日本環境協会 エコマーク事務局)— DIN 66399の7段階の表
- ISO/IEC 21964-1:2018 Information technology — Destruction of data carriers(国際標準化機構)— DIN 66399に対応する国際規格
- シュレッダQ&A(ビジネス機械・情報システム産業協会 シュレッダ部会)
- シュレッダ可動部の安全に関するガイドライン<第3版>(ビジネス機械・情報システム産業協会/全日本文具協会)
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