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こどもの睡眠時間
中高生は8〜10時間で大人より長く必要です

そもそも、どんな商品か

厚生労働省の睡眠ガイド2023が、こどもに何時間の睡眠を求めているかを確認した記事です。

寝かしつけの方法の記事ではありません。国が示している数字と、その出どころの話です。

まず結論だけ

  • 小学生9〜12時間、中学・高校生8〜10時間。大人の目安6時間以上より長い数字です
  • ガイド自身が「一般的な認識よりも長い睡眠時間であることに驚くかもしれません」と書いています
  • 思春期の夜ふかしは生理的。メラトニンの分泌開始が遅れるためで、気持ちの問題ではありません
  • 習慣化すると睡眠・覚醒相後退障害になることがあり、その6割近くに起立性調節障害が合併すると報告されています

年齢別の数字を見る →

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国が示す大人の睡眠時間の目安は6時間以上です。

中学生と高校生は8〜10時間。小学生は9〜12時間とされています。

大人より長く寝る必要があります。 そしてガイド自身が、こう書いていました。

一般的な認識よりも長い睡眠時間であることに驚くかもしれません

資料の記載は2026年8月20日に確認しています。

結論:高校生までは、大人より長く寝る必要があります

先に答えを書きます。成長期のこどもに必要な睡眠時間は、大人より長いというのが国の整理です。

成長・加齢とともに必要な睡眠時間は減少していきますが、成長期である高校生までは成人よりも長い睡眠時間を必要とすることがわかっており、一般的な認識よりも長い睡眠時間であることに驚くかもしれません。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(令和6年2月)(確認日 2026-08-20)

「高校生までは成人よりも長い」と書いてあります。受験期に睡眠を削るのは、この整理とは逆向きということになります。

年齢別の数字

ガイドが挙げている数字を並べます。

年代 睡眠時間
1〜2歳 11〜14時間
3〜5歳 10〜13時間
小学生 9〜12時間
中学・高校生 8〜10時間
(参考)成人 6時間以上を目安
(参考)高齢者 床上時間が8時間以上にならないこと

この数字の出どころは、米国睡眠医学会(American Academy of Sleep Medicine)です。

米国睡眠医学会は、1〜2歳児は11〜14時間、3〜5歳児は10〜13時間、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間の睡眠時間の確保を推奨しています。これは、睡眠時間に関する疫学調査や生理研究に基づき、主要な睡眠研究者が各成長時期における心身機能の回復・成長に必要な睡眠時間を見積もったものであり、多くの国で参考にされています。

そのうえで、日本のガイドはこう書いています。

夜更かしなどの生活習慣に関連する睡眠不足を防止する観点から、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することを推奨します。

当サイトが確かめた範囲では、成人の「6時間以上」は日本の調査を根拠に設定されているのに対し、こどもの数字は米国睡眠医学会の推奨をそのまま参考にしています。 ガイドの書き方も「推奨します」ではなく「参考に…確保することを推奨します」と一段やわらかくなっています。→ 睡眠時間は何時間?国の目安は6時間以上

足りないと、何が起きるか

ガイドが挙げている4つです。

睡眠時間が不足すると
肥満のリスクが高くなる
抑うつ傾向が強くなる
学業成績が低下する
幸福感や生活の質(QOL)が低下する

学業成績が入っているのが、この一覧の特徴だと思います。勉強のために睡眠を削ると、削った先で成績が下がる、という並びになっています。

いずれも「報告されています」という書き方で、断定はされていません。

思春期の夜ふかしは、生理的なものです

ここがいちばん誤解されやすいところだと思います。

思春期が始まる頃から睡眠・覚醒リズムが後退し、睡眠の導入に関わるホルモン(メラトニン)の分泌開始時刻が遅れることで、夜寝る時刻が遅くなり、朝起きるのが難しくなる傾向がみられます。

体の側が夜型に寄っていきます。 気持ちの問題ではありません。

そこに社会的な事情が重なります。

部活動や勉強、友人とのつきあい、デジタル機器の使用などで、夜遅くまで活動することが増えますが、朝は学校に遅刻しないよう起床する必要があるので睡眠不足になりやすく、睡眠負債が蓄積しやすくなります。

休日の朝寝坊も、悪化させる側に働きます。

学校のない休日は、睡眠負債を解消するために起床時刻を遅らせることにより、午前中の時間帯に日光を浴びることができず、睡眠・覚醒リズムは後退しやすくなります。

遅くまで起きるのは生理的、早く起きなければならないのは社会的。 この2つに挟まれるのが思春期だ、という整理です。

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習慣化すると、病名が付くことがあります

ここは数字が具体的でした。

夜ふかし・朝寝坊の習慣が長く続くと、朝起きることが難しくなり、遅刻が増加したり、登校が困難になったりすることもあります。これは睡眠・覚醒相後退障害と呼ばれる睡眠障害の一つであり、自分の意志だけでは睡眠・覚醒リズムの乱れや蓄積した睡眠不足に抗うことができなくなった結果とも考えられています。

「自分の意志だけでは抗うことができない」と書かれています。

そして、こうあります。

また、睡眠・覚醒相後退障害の6割近くに起立性調節障害を合併すると報告されています。この状態になると、二次的に学業の遅れや、友人関係の障害が進行しやすいため、できるだけ早く医師に相談することが重要です。

6割近くという数字が付いています。 朝起きられない状態が続いているなら、生活習慣の問題として扱い続けるより、相談したほうがよい、という書き方です。

予防としてガイドが挙げている4つ

そうならないための対策が、4つに整理されていました。

1つめは、起床時の日光浴です。

乳幼児期は、朝起きる時間を決め、カーテンを開けて部屋を明るくしましょう。小学生以降は、登校時や学校で日光を十分に浴びましょう。週末休日も普段と同じ時間に起床して、日光を浴びましょう。

2つめは、朝食です。

朝食を摂らない生活習慣は、朝〜午前中に日光を浴びない生活環境と同様に、睡眠・覚醒リズムの後退を促すことが報告されています。

夜ふかし → 朝食を抜く → さらに夜ふかし、という循環が書かれています。そこに肥満と睡眠時無呼吸が加わると、もう一段の悪循環になるとされています。

3つめは、運動です。ここに数字がありました。

小・中・高校生は1日当たり60分以上からだを動かし、スクリーンタイムは2時間以下にすることが推奨されています。

ただし時間帯に注意があります。

運動は1日の中でどの時間に行っても睡眠の質を改善しますが、就寝前1時間以内の激しい運動はかえって睡眠の質を低下させる可能性がありますので、寝る直前の運動は控えたほうが良いでしょう。

4つめは、デジタル機器です。

デジタル機器は寝室には持ち込まず、電源を切って、別の部屋に置いておきましょう。 特に、寝そべりながらデジタル機器を使うと、ディスプレイの視聴距離が近くブルーライトを浴びやすくなるため、寝つきや睡眠の質の悪化につながります。

「電源を切って、別の部屋に」まで書かれています。手の届くところに置かない、ということになります。

何時に寝ればよいか、逆算する

ガイドは、時刻の決め方も書いていました。

小学生以降は、早起き習慣を保ったうえで、前述の推奨睡眠時間から逆算して、夜寝る時間を決めることをお勧めします。

起きる時刻を先に固定して、そこから引くという順番です。実際に引いてみます。

起床 小学生(9〜12時間) 中高生(8〜10時間)
6時30分 18時30分〜21時30分 20時30分〜22時30分
7時00分 19時00分〜22時00分 21時00分〜23時00分
これは当サイトが推奨時間を単純に引き算したものです。寝つくまでの時間は含めていません。実際には、寝床に入る時刻はこれより前になります。

中学生が7時に起きるなら、21時から23時のあいだに眠っている必要があるという計算になります。部活と宿題を考えると、簡単ではない数字です。

そして乳幼児期については、家族の側の話が書かれていました。

乳幼児期は、こどもの睡眠習慣が親の睡眠習慣に影響されやすいため、家族ぐるみで早寝・早起き習慣を目指すと良いでしょう。

まとめ

  • ガイドが示すこどもの睡眠時間は小学生9〜12時間、中学・高校生8〜10時間です
  • 大人の目安6時間以上より長く、「高校生までは成人よりも長い睡眠時間を必要とする」と書かれています
  • ガイド自身が「一般的な認識よりも長い睡眠時間であることに驚くかもしれません」としています
  • 数字の出どころは米国睡眠医学会。日本のガイドはこれを「参考に」としています
  • 不足すると肥満・抑うつ傾向・学業成績の低下・QOLの低下との関連が挙がっています
  • 思春期の夜ふかしは生理的。メラトニンの分泌開始時刻が遅れるためです
  • ⭐習慣化すると睡眠・覚醒相後退障害になることがあり、その6割近くに起立性調節障害が合併すると報告されています。早めに医師に相談とされています
  • 予防は朝の日光・朝食・1日60分の運動とスクリーンタイム2時間以下・デジタル機器は別の部屋の4つです

大人の目安のほうは、睡眠時間は何時間?国の目安は6時間以上にまとめています。

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この記事の出典

この記事は、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月)のこども版の記載を確認し、そこに引用されている調査結果を紹介したものです。確認日は2026年8月20日です。

この記事は資料の内容を紹介したもので、診断や治療の助言ではありません。 「6割近く」などの数字は資料が引用している報告の結果で、当サイトが計算したものではありません。就寝時刻の逆算表だけは、当サイトが推奨睡眠時間を単純に引いたものです。朝起きられない状態が続く場合は、医療機関にご相談ください。

  • 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023 — こども版の推奨事項/米国睡眠医学会の年齢別推奨/睡眠不足と肥満・抑うつ・学業成績・QOL/メラトニン分泌開始時刻の後退/睡眠・覚醒相後退障害と起立性調節障害/1日60分の運動とスクリーンタイム2時間以下/デジタル機器は別の部屋に

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