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睡眠時間は何時間?国の目安は6時間以上。高齢者は逆でした

そもそも、どんな商品か

1日に何時間眠ればよいのかについて、厚生労働省の資料に何と書かれているかを確認した記事です。年代によって推奨が変わる点を扱います。

不眠の治療法についての記事ではありません。国が示している目安の数字とその読み方の話です。

まず結論だけ

  • 成人の目安は6時間以上。「8時間」ではありませんでした
  • 高齢者は逆で、床上時間が8時間以上にならないことが目安です
  • 寝だめが効くのは、平日6時間以上寝ている人だけと報告されています
  • 推奨事項には「寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める」と書かれています

成人と高齢者で逆になる理由を見る →

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睡眠は8時間。そう思っている方が多いと思います。

厚生労働省の資料を読みました。8時間とは書かれていませんでした。

書かれていたのは「6時間以上を目安として」です。そして同じ資料の別のページには、まったく逆の推奨が載っていました。

制度・データは2026年8月17日時点で確認しています。

結論:成人は6時間以上。高齢者は8時間未満です

先に答えを書きます。健康づくりのための睡眠ガイド2023には、年代別の推奨事項が載っています。

誰に 推奨事項
成人 6時間以上を目安として
必要な睡眠時間を確保する
高齢者 床上時間が8時間以上に
ならないこと
を目安に
必要な睡眠時間を確保する

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(令和6年2月)(確認日 2026-08-17)

成人には「これ以上寝なさい」、高齢者には「これ以上寝床にいるな」。同じ資料の中で、向きが逆になっています。

そして高齢者のほうは「睡眠時間」ではなく「床上時間」で書かれています。 ここも違いました。

短いとどうなるかは、数字で書かれています

まず成人のほうです。ガイドは、短い睡眠のリスクを具体的な倍率で挙げています。

調査 結果
日本人男性労働者
約4万人を7年追跡
5時間未満の人は5時間以上と
比べ、肥満リスク1.13倍
メタボリックシンドロームの
発症リスク1.08倍
日本人男性労働者
2,282人を14年追跡
6時間未満の人は7〜8時間の
人と比べ、心血管疾患の
発症リスク4.95倍
世界の研究を集めた
92万人分の解析
6時間未満で死亡リスクが
有意に上昇

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

6時間という線が、複数の調査で出てきます。 ガイドが目安を6時間に置いているのは、このためだと読めます。

では上限はあるのか。 ガイドは「おおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられ」としつつ、こう続けています。

ただし、適正な睡眠時間には個人差があり、6時間未満でも睡眠が充足する人もいれば、8時間以上の睡眠時間を必要とする人もいます。

米国の共同声明も紹介されていて、そちらは7〜9時間を核に、6時間から10時間までを許容しているそうです。

日本の現状も書かれていました。 令和元年の国民健康・栄養調査では、20〜59歳の各世代で、睡眠時間が6時間未満の人が約35〜50%。5時間未満に限っても約5〜12%だそうです。

目安の6時間を、働く世代の3人に1人以上が下回っていることになります。

高齢者で推奨が逆を向く理由

ここが今回いちばん驚いた点です。高齢者のページには、こう書かれています。

成人では、短時間睡眠(睡眠不足)による健康への悪影響に注目されてきましたが、高齢世代においては、むしろ長時間睡眠による健康リスク(死亡リスク)の方がより強く表れることが、多くの調査結果をまとめて解析した研究で示されています。

そして数字が並びます。

高齢世代の睡眠時間 将来の死亡リスク
7時間未満(短い) 1.07倍
8時間以上(長い) 1.33倍

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

短いより、長いほうが数字が大きい。成人とは向きが逆です。

理由も書かれていました。 長く寝ようとしても、実際に眠れる時間が増えるわけではありません。

長寝をしても、実際に身体が眠れる時間が増えるわけではなく、むしろ入眠に時間がかかり(入眠困難)、途中で目が覚めやすくなり(中途覚醒)、睡眠の効率が低下します。

そして睡眠の効率が下がると、休めた感じが減り、もっと長く寝ようとする。 ガイドはこれを「悪循環」と書いています。

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高齢者は「寝ている時間」ではなく「寝床にいる時間」でした

もうひとつ、読み違えやすい点があります。高齢者の推奨は「睡眠時間」ではありません。

65歳以上の高齢世代では、睡眠時間と総死亡率の関連は明確にならず、床上時間が約8時間以上の場合に総死亡率が増加することが報告されています。

床上時間とは、寝床の中で過ごしている時間のことです。眠っている時間とは別で、眠れずに横になっている時間も入ります。

つまり高齢者について問題にされているのは、眠りの長さではなく、寝床にいる長さです。ガイドはこうまとめています。

高齢世代では睡眠時間の長短よりも、床上時間が長すぎると不良な健康状態をもたらしうることを示しています。

昼寝についても数字がありました。 30分以上の昼寝を習慣にしている人は、昼寝の習慣がない人と比べて将来の死亡リスクが1.27倍と報告されているそうです。

この1.27倍が、現行のガイドで昼寝に付いている数少ない数字の1つです。昼寝は何分まで?|「30分以内」は10年前の指針の言葉

これらはガイドが紹介している研究の結果です。個人の健康状態によって当てはまり方は変わります。睡眠時間や寝床で過ごす時間について不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

寝だめが効くのは、平日6時間以上寝ている人だけでした

平日の不足を休日に取り戻す。あの習慣についても、条件つきの結果が載っていました。

平日の睡眠時間 休日の寝だめ 結果
6時間以上 1時間程度 寿命短縮リスクが
低下
6時間以上 2時間以上 リスクは
軽減されない
6時間未満 する 寿命短縮リスクが
有意に高まる

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(40〜64歳の成人を対象とした近年の調査として紹介されているもの・確認日 2026-08-17)

足りていない人ほど、寝だめでは取り返せない。そういう結果でした。

ガイドは「眠りをためることはできません」とはっきり書いています。 週末に長く寝ることは国際的に「社会的時差ボケ」と呼ばれ、毎週末に時差のある地域へ旅行を繰り返すことに似ていると説明されています。

休日に長く眠りたくなるのは、平日が足りていないサイン。 ガイドはそう位置づけて、平日の睡眠習慣を見直すよう書いています。

時間より「睡眠休養感」という考え方

ガイドがくり返し使っている言葉があります。睡眠休養感(=睡眠で休養がとれている感覚)です。

意味は「睡眠で休養がとれている感覚」。時間の長さではなく、休めたと感じているかどうかを指します。

そして、こう書かれています。

40〜64歳の成人(働く人)で睡眠時間が短い場合、死亡リスクが増加しますが、睡眠休養感が確保されている場合には死亡リスクが増加せず、さらに睡眠時間が長く、睡眠休養感が確保されている場合、より死亡リスクは小さくなります。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

短くても、休めた感じがあるかどうかで結果が変わる。そういう報告です。

だから推奨事項は、時間の確保だけで終わっていません。 成人版の3つのうち、2つめがこれです。

食生活や運動等の生活習慣や寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める。

寝室の睡眠環境。国の推奨事項の中に、この言葉が入っています。

その寝室環境を、温度・湿度・光・音の4つに分けて調べたものが寝室の環境の記事です。 何から手を付けるかは、そちらにまとめました。

買う前に確認しておきたいこと

1つめは、自分が6時間を超えているかどうかです。 ここが最初の分かれ道になります。超えていないなら、寝具より先に寝る時間そのものです。休日の寝だめでは取り返せないと書かれています。

2つめは、年代で見る数字が変わることです。 成人は睡眠時間、高齢者は床上時間。同じ「8時間」でも、意味が逆になります。

3つめは、時間が足りているのに疲れが取れない場合です。 そこで出てくるのが睡眠休養感で、推奨事項は生活習慣と寝室の環境を見直すことを挙げています。寝具はこの中に含まれます。

4つめは、環境を変えても改善しない場合です。 ガイドの3つめの推奨事項は「病気が潜んでいる可能性にも留意する」です。買い物で解決しない領域があることも、国の資料に書かれています。

5つめは、順番です。 時間 → 環境 → 寝具、の順で見るのが、ガイドの並びに沿っています。寝具から入ると、原因が時間だった場合に効果が出ません。

6つめは、カフェインです。 同じ資料の別の章に、107mgを超えると就寝の約9時間前の摂取でも夜の睡眠に影響すると書かれていました。時間を確保しても、飲み方で削られます。そちらはカフェインの記事にまとめました。

この記事は公開されている資料を整理したものです。睡眠の悩みが続く場合や、日中の強い眠気がある場合は、医療機関にご相談ください。

まとめ

睡眠時間について調べて分かったのは、次の4点でした。

1つめ。成人の目安は6時間以上です。 「8時間」ではありません。おおよそ6〜8時間が適正とされ、個人差があることも明記されています。

2つめ。高齢者は逆向きでした。 床上時間が8時間以上にならないことが目安で、長時間睡眠のほうが死亡リスクの数字が大きくなっています(7時間未満1.07倍に対し、8時間以上1.33倍)。しかも語られているのは睡眠時間ではなく床上時間です。

3つめ。寝だめには条件があります。 平日6時間以上の人が1時間程度なら寿命短縮リスクが下がる一方、平日6時間未満の人は寝だめをしてもリスクが有意(=偶然では説明しにくいほどの差がある、という統計の言い方)に高まると報告されています。

4つめ。時間だけでなく睡眠休養感が挙げられています。 短い睡眠でも休養感が確保されていれば死亡リスクが増加しなかった、という報告があり、推奨事項には「寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める」と書かれています。

まず6時間を超えること。次に環境を整えること。 これが国の資料の並び順でした。

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この記事の出典

  • 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(令和6年2月・健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会) — 成人版の推奨事項3項目(6時間以上を目安/寝室の睡眠環境等を見直して睡眠休養感を高める/病気が潜んでいる可能性)/高齢者版の推奨事項(床上時間が8時間以上にならないこと/長時間の昼寝を避ける)/短時間睡眠のリスクの倍率(肥満1.13倍・メタボリックシンドローム1.08倍・心血管疾患4.95倍・92万人分の解析)/高齢世代の死亡リスク(7時間未満1.07倍・8時間以上1.33倍・30分以上の昼寝1.27倍)/休日の寝だめの条件/睡眠休養感と死亡リスク/令和元年国民健康・栄養調査(20〜59歳で6時間未満が約35〜50%)

調べ方について。 数値はすべて睡眠ガイド2023の本文に書かれているものです。引用文中の強調は当サイトで付けたものです。ガイドが参照している個々の研究論文には当たっていないため、対象者や測定方法の詳細まではガイドの記載の範囲にとどめています。倍率はいずれもガイドが紹介している調査研究の結果で、当サイトが算出したものではありません。

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