PR NEDOKO

寝室の照明は暗くするだけ?国の数字は日中の1,000ルクスでした

そもそも、どんな商品か

寝るときの部屋の明るさと、日中に浴びる光について、国がどこまで数字を示しているかを調べた記事です。照明を選ぶときや、寝室にスマホを持ち込むかを考える材料になります。

ブルーライトカット眼鏡の効果を検証した記事ではありません。部屋の光の当て方の話です。

まず結論だけ

  • 日中に1,000ルクス以上を浴びると、夜のメラトニンが増えて寝つきがよくなります。数値は寝室ではなく日中の側にありました
  • 同じ厚生労働省がデスク作業に求める照度は300ルクス以上。桁がひとつ違います
  • 寝室側に数値はありません。「できるだけ暗くして寝る」と書かれているだけです
  • 昼に浴びておくと、夜に照明を浴びても体内時計の狂いが小さくなると報告されています

300ルクスと1,000ルクスの差を見る →

快眠タイムズで寝具を見る ※ 写真と価格は公式サイトで見られます

寝るときは暗いほうがいい。それは誰でも知っています。 では、どれくらい暗くすればいいのか。

国の資料を探しました。寝室の明るさについて、数値はありませんでした。

代わりに数字が出てきたのは、まったく反対側でした。日中に浴びる光のほうです。 しかもその数字は、同じ役所がデスク作業に求めている照度と、桁がひとつ違いました。

制度・データは2026年8月17日時点で確認しています。

結論:数字は寝室ではなく、日中にありました

先に答えを書きます。厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023には、こう書かれています。

日中に光を多く浴びることで夜間のメラトニン分泌量が増加し、体内時計が調節され、入眠が促進されます。これらの効果は1,000ルクス以上の照度の光を日中に浴びることで得られます。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(令和6年2月)(確認日 2026-08-17)

1,000ルクス以上。これが、睡眠と光について国が示している唯一の数値です。

では、浴びると何が起きるのか。 引用のとおり、順番はこうなります。

段階 何が起きるか
日中に1,000ルクス
以上を浴びる
夜のメラトニンの
分泌量が増える
体内時計が
調節される
寝つきがよくなる
(入眠が促進される)

浴びた光は、その日の夜の寝つきに返ってきます。

そして、それは寝室の話ではありません。 昼のあいだにどれだけ光を浴びるか、という話です。

いっぽう寝室については、数値がありません。「寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして寝る」と書かれているだけです。

明るくする側には数字があり、暗くする側には数字がない。これが今回の結論です。

メラトニンは、寝る2時間前から出ています

なぜ日中の光が夜に効くのか。ここは押さえておく価値があります。

メラトニンとは、睡眠を促すホルモンのことです。睡眠ガイドはその出方について、こう書いています。

就寝の約2時間前から睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が始まります。それ以降に照明やスマートフォンの強い光を浴びると、催眠効果のあるメラトニンの分泌が抑制されることから、睡眠・覚醒リズムが遅れ、入眠が妨げられることが報告されています。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

つまり、布団に入ってからでは遅いということです。 分泌はその2時間前から始まっているので、光を落とす時間帯もそこからになります。

日中の光は、この分泌量そのものを増やす側に効きます。昼に浴びて、夜に出す。 その2つが1本につながっています。

デスクの基準は300ルクス。桁がひとつ違います

1,000ルクスと言われても、実感がわきません。そこで、同じ厚生労働省が別の場面で示している照度と並べてみます。

情報機器作業(パソコン作業)のガイドラインには、こうあります。

ディスプレイを用いる場合の書類上及びキーボード上における照度は300ルクス以上を目安とし、作業しやすい照度とすること。

出典:厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説(確認日 2026-08-17)

並べると、こうなります。

どの場面か 照度
デスク作業
(書類・キーボードの上)
300ルクス以上
体内時計を
整えるために日中に浴びる
1,000ルクス以上

3倍以上の開きがあります。仕事に困らない明るさで一日過ごしても、体内時計のほうには届いていないということです。

ただし、この2つを単純に比べることはできません。 300ルクスは書類やキーボードの面で測る照度です。1,000ルクスのほうは「浴びる光」としか書かれておらず、どこで測るかは書かれていませんでした。

確認できなかったこと: 1,000ルクスをどの位置で測るのか、その定義までは睡眠ガイドに書かれていませんでした。それでも、桁がひとつ違うという事実は動きません。 室内の照明だけで足りる数字ではない、という向きは読み取れます。

だから睡眠ガイドは「日光を浴びる」と書いています。 屋外の明るさは、曇りでも室内の照明を大きく上回るからです。

快眠タイムズで寝具を見る ※ 写真と価格は公式サイトで見られます

効くのは明るさだけでなく、波長でした

もうひとつ、睡眠ガイドにはコラムが付いていました。なぜブルーライトが名指しされるのかの説明です。

2002年に、体内時計を調節する光の受容細胞として、網膜にある光感受性網膜神経節細胞が発見されました。この細胞はメラノプシンという感光色素を含有しており、460〜480nm付近の短波長光に感受性のピークがあります。 このため、同じ光の強さであっても、この波長域に属する光であるブルーライトが、最も強く体内時計に影響を及ぼすことがわかっています。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

目の細胞のうち、体内時計につながるものが見つかったのは2002年です。 ものを見るための細胞とは別に、時計を合わせるための細胞があった、ということです。

同じ明るさでも、波長によって効き方が違う。だから照度だけでは決まりません。

暖色に調光すれば大丈夫、とも言えませんでした。 睡眠ガイドのQ&Aにこうあります。

現在使われているLED照明は青色発光ダイオードを使用していることから、調光しても短波長光(ブルーライト)が多く含まれます。夜間の使用時は明るすぎないように調節することが必要です。

電球色にしてもブルーライトは含まれるので、結局は明るさを落とすことになります。

寝ている間は「低い照度でも」効きます

寝室側に数値がないと書きましたが、性質については書かれていました。

寝ている間は、低い照度の光でも中途覚醒時間を増加させ、睡眠の効率を下げることが報告されており、寝室の照明にも配慮することは重要と考えられます。観察研究の系統的レビューで、夜間の光曝露が睡眠障害と関連していることが報告されています。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

「低い照度の光でも」。ここが重要です。まぶしくない程度なら大丈夫、とは書かれていません。

ただし、真っ暗にすればいいという話でもありませんでした。 高齢者については、こう書かれています。

高齢者は夜間にトイレに行くことも多いため、転倒しないように間接照明や足元灯などを活用し、眼に入る光の量を減らす工夫が重要です。

消すのではなく、眼に入る量を減らす。 足元灯が挙げられているのは、そのためです。

年齢による差もあります。 Q&Aによれば、10歳代の眼のレンズの光透過性は、白内障と診断されていない70歳代より5倍近く高いと報告されているそうです。同じ部屋にいても、若い人のほうが光の影響を受けます。

救いは「日中に浴びれば夜の悪影響が減る」ことです

ここまで読むと、夜の光を完全に避けるしかないように思えます。そうではありませんでした。

現代社会では、夜間に照明の光を浴びることは避けられませんが、日中に光を多く浴びることで、夜間の照明の光による体内時計への悪影響が減少することが報告されており、1日を通して光環境を整えることは、良質な睡眠を確保するために重要です。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

夜の光の影響は、日中の光で薄められます。

これが、数字が日中側にある理由だと考えられます。 夜にどれだけ我慢するかより、昼にどれだけ浴びたかのほうが効いてくる、という構図です。

買う前に確認しておきたいこと

1つめは、この問題は寝具では解決しないということです。 前提としてはっきりさせておきます。遮光カーテンやアイマスクが要る話であって、布団やマットレスを替えても光は変わりません。 睡眠ガイドは光・温度・音・寝具の4つを並べていますが、光は寝具でカバーできない項目です。

2つめは、スマホの置き場所です。 睡眠ガイドが名指しで書いているのは「寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず」です。充電器ごと部屋の外に出すのがいちばん確実になります。

3つめは、朝にカーテンを開けることです。 「朝目覚めたら部屋に朝日を取り入れ」と書かれています。お金がかからず、1,000ルクス側に効く数少ない手段です。

4つめは、夜中に起きるかどうかです。 起きるなら、真っ暗より足元灯のほうが挙げられています。転倒を防ぐ観点が入るためで、これは寝室の温度の記事で書いた「夜中にトイレへ行くなら18℃」と同じ構図です。

5つめは、順番です。 光を整えても、暑くて眠れないなら意味がありません。夏の暑さは寝具でカバーできないので、そちらが先になります。

6つめは、音も同じ資料に書かれていることです。 こちらは数値があり、夜間の屋外騒音40dB未満でした。ただしそれも屋外の数字です。そちらは寝室の音の記事にまとめました。

睡眠に関する悩みが続く場合は、環境を変える前に医療機関にご相談ください。この記事は公開されている資料を整理したものです。

まとめ

寝室の光について調べて分かったのは、次の4点でした。

1つめ。数値は寝室ではなく日中にありました。 日中に1,000ルクス以上を浴びると、夜のメラトニンの分泌量が増え、体内時計が調節され、寝つきがよくなると書かれています。寝室側は「できるだけ暗くして寝る」だけで、数値はありません。

2つめ。デスク作業の基準は300ルクス以上でした。 同じ厚生労働省の数字で、桁がひとつ違います。測る場所の定義が違うので単純比較はできませんが、室内の照明だけで届く数字ではありません。

3つめ。効くのは明るさだけではありません。 体内時計につながる細胞は2002年に見つかったもので、460〜480nm付近に感受性のピークがあります。暖色に調光してもブルーライトは含まれます。

4つめ。夜の光の影響は、日中の光で薄められます。 「日中に光を多く浴びることで、夜間の照明の光による体内時計への悪影響が減少する」と書かれています。

夜に我慢するより、昼に浴びる。 これが今回いちばん実用的な結論です。

快眠タイムズで寝具を見る ※ 写真と価格は公式サイトで見られます
エムールで寝具を探す ※ 販売サイトに移動します

この記事の出典

調べ方について。 引用はすべてPDFの本文からそのまま取っています。引用文中の強調は当サイトで付けたものです。1,000ルクスと300ルクスは、それぞれ別の目的で定められた数字で、測定する面の定義も異なります。本文でもそのことを明記したうえで並べています。睡眠ガイドが参照している個々の研究論文には当たっていません。

関連記事