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寝室の温度は何℃がいい?睡眠の基準に数字はありません

そもそも、どんな商品か

寝るときの部屋の温度(室温)について、国がどこまで数字を示しているのかを調べた記事です。エアコンを何℃に設定するかを考えるための材料になります。

エアコンの設定温度の話ではありません。設定温度と実際の室温は別物なので、ここで扱うのは部屋の温度そのものです。

まず結論だけ

  • 睡眠のための室温に、国は数字を出していません。あるのは「暑すぎず寒すぎない温度で」だけです
  • 部屋の基準はビルも学校も18〜28℃。湿度と違い、2つの基準の数字が一致していました
  • 夏と冬は対称ではありません。夏はエアコンで下げる、冬は寝具でカバーできると書かれています
  • 冬の18℃は、睡眠のための数字ではありません。血圧が急に上がるのを防ぐための数字でした

夏と冬でなぜ扱いが違うのかを見る →

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寝苦しい夜に、エアコンを何℃にすればいいのか。あるいは冬、暖房を切って寝ていいのか。

「寝室に最適な温度」を探しました。 国が示している数字が見つかるはずだと思っていました。

見つかりませんでした。 厚生労働省が寝室の温度について書いているのは、「暑すぎず寒すぎない温度で」という一文だけです。

ただし、何も分からなかったわけではありません。夏の暑さと冬の寒さで、書かれ方がはっきり違いました。 そして冬に出てくる18℃という数字は、睡眠のための数字ではありませんでした。

制度・データは2026年8月17日時点で確認しています。

結論:睡眠のための室温に、数字はありません

先に答えを書きます。

厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023は、良い睡眠のための環境として光・温度・音の3つを挙げています。そのうち温度のポイントは、こう書かれています。

寝室は暑すぎず寒すぎない温度で、就寝の約1〜2時間前に入浴し身体を温めてから寝床に入ると入眠しやすくなる。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(令和6年2月)(確認日 2026-08-17)

「暑すぎず寒すぎない温度で」。これが、国が寝室の温度について書いている全部です。◯℃という数値は出てきません。

そのうえで本文を読むと、夏と冬でまったく違うことが書かれていました。 そこが今回いちばんお伝えしたい点です。

部屋の基準は2つあり、どちらも18〜28℃でした

数値そのものが無いわけではありません。部屋の温度についての基準は、国に2つあります。

何の基準か 温度 書き方
建築物衛生法
(ビル)
18℃以上
28℃以下
管理基準
学校環境衛生基準
(学校)
18℃以上
28℃以下
望ましい

出典:厚生労働省 建築物環境衛生管理基準について文部科学省 学校環境衛生基準(いずれも確認日 2026-08-17)

数字が一致しています。これは少し意外でした。湿度のほうは、ビルが40〜70%、学校が30〜80%と食い違っていたからです。そちらは寝室の湿度を調べた記事にまとめました。

温度だけは、2つの基準がそろっています。 18℃と28℃という数字は、それなりに動かしにくい線だと考えてよさそうです。

ただし、どちらも寝室の基準ではありません。 ビルの基準はオフィスや商業施設が対象で、しかも空気調和設備がある場合の話です。学校の基準は教室の話です。どちらも、人が起きて活動している部屋を想定した数字です。

ビルの基準には、「居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと」という条件も付いています。夏に室温を下げすぎないように、というねらいです。

夏と冬は、対称ではありませんでした

ここからが本題です。睡眠ガイド2023の本文には、こう書かれています。

夏の寝室の室温上昇時に、睡眠時間が短縮し、睡眠効率が低下することが、実生活下の調査によって報告されています。夏の寝室はエアコンを用いて涼しく維持することが重要と考えられます。 冬に寝室温が低下した場合に、睡眠が悪化することを示した報告は乏しく、十分に寝具を用いることで寝床内が暖かく維持された場合には、睡眠への影響は少ないと考えられます。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

並べると、こうなります。

睡眠への影響 対処
夏の暑さ 睡眠時間が短くなり
睡眠効率が下がる
(報告あり)
エアコンで
涼しく保つ
冬の寒さ 悪化を示した
報告は乏しい
寝具で
寝床内を暖める

暑さは部屋で対処し、寒さは寝具で対処する。国のガイドが、そう書き分けています。

理由は考えてみれば当たり前でした。 寒いときは、布団を足せば寝床の中は暖かくなります。暑いときに、布団を減らしても室温は下がりません。 掛けるものを0枚より減らすことはできないからです。

だから「夏はエアコンをつけて寝る」は、我慢の問題ではありません。 寝具でカバーできない側なので、部屋を冷やすしか手がない、ということです。

これは睡眠への影響についての整理です。冬の寒さそのものが問題にならないという意味ではありません。次の章のとおり、別の理由で温度を保つよう書かれています。
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冬の18℃は、睡眠のための数字ではありません

睡眠ガイド2023は、冬について続けてこう書いています。

一方で、冬の寒さについては、心疾患や脳卒中を予防する観点も重要です。夜中にトイレへ行く場合や、早朝起床時に、急な寒さに曝されると、血圧が急激に上昇し、脳卒中・心筋梗塞の発症につながるおそれがあります。WHOの住環境ガイドラインは冬の室温を18℃以上に維持することを推奨しています。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

18℃という数字は出てきます。ただし、よく眠るための数字ではありません。

寝ている間の話ですらありません。 書かれているのは「夜中にトイレへ行く場合や、早朝起床時」です。布団から出た瞬間の話です。

つまり冬の室温は、こう整理できます。

何のための数字か 内容
よく眠るため 寝具で寝床内が
暖かければ影響は少ない
布団から出たとき 18℃以上を保つ
(WHOの推奨)

寝ている間だけを考えれば、寝具でなんとかなります。 けれど夜中にトイレに立つなら、部屋の温度が効いてきます。この2つは別の話として書かれています。

なお、この18℃はWHOの住環境ガイドラインの数値で、睡眠ガイド2023がそれを引用する形になっています。日本の法令が寝室について18℃を定めているわけではありません。

「就寝前に過ごす部屋」の温度は、別に書かれています

もうひとつ、見落としやすい記述があります。寝室ではなく、寝る前にいる部屋の話です。

冬に実施した調査研究からは、就寝前に過ごす部屋の室温が低いと、入眠潜時が延長することが示されていることから、冬季は就寝前にできるだけ温かい部屋で過ごすことも重要だと思われます。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

入眠潜時とは、布団に入ってから眠りにつくまでの時間のことです。寝る前に寒い部屋にいると、その時間が延びるという報告です。

同じ章に、入浴についてもこう書かれています。

就寝の約1〜2時間前に入浴した場合、しなかった場合に比べて速やかな入眠が得られることが報告されています

寝室を暖めることより、寝る前に体を温めておくことのほうが、はっきり書かれています。 深部体温がいったん上がってから下がるときに、眠りに入りやすくなるためです。

ひとつ注意書きもありました。 「極端に湯温が高いと、交感神経の活動が亢進し、かえって入眠を妨げる可能性もあります」。熱すぎる風呂は逆効果ということです。

買う前に確認しておきたいこと

以上を、実際に何をするかに直します。

1つめは、夏はエアコンを使うことです。 ここは寝具で代えがききません。冷感の敷きパッドを足しても、室温そのものは下がりません。

これはメーカー自身が書いています。快眠タイムズの接触冷感の敷きパッドには、こうあります。

ご使用前にエアコン等で冷風を20〜30分当てることで、接触冷感効果をより実感しやすくなる場合がございます。

出典:快眠タイムズ ドライミングクール 除湿消臭敷パッド(確認日 2026-08-17)

冷感パッドは、エアコンの代わりではありません。 部屋を冷やしたうえで、肌に触れる面を涼しくするという順番になります。

2つめは、冬は寝具を先に見ることです。 睡眠ガイドが「十分に寝具を用いることで」と書いているとおり、寝床の中の暖かさは寝具で作れます。 掛け布団の暖かさは羽毛の量と質で決まり、その見方はゴールドラベルの記事にまとめました。

3つめは、夜中にトイレに立つかどうかです。 立つのであれば、寝ている間だけの話では済みません。 暖房を完全に切るかどうかは、そこで判断が変わります。

4つめは、光も同じ資料に書かれていることです。 睡眠ガイドは光・温度・音を並べています。光の章には1,000ルクスという数値が出てきますが、それも寝室ではなく日中の話でした。そちらは寝室の照明の記事にまとめました。

5つめは、湿度も同時に見ることです。 温度を上げると相対湿度は下がります。逆に、冬に加湿しすぎると結露します。 そちらは寝室の湿度の記事にまとめました。

6つめは、室温と設定温度は違うということです。 エアコンの設定を26℃にしても、部屋の温度が26℃になるとは限りません。判断したいのは室温のほうなので、温度計を1つ置くのがいちばん確実です。

この記事は公開されている資料を整理したものです。血圧や心臓の持病がある場合、寝室の温度をどう保つかは自己判断せず、医療機関にご相談ください。

まとめ

寝室の温度について調べて分かったのは、次の4点でした。

1つめ。睡眠のための室温に、国は数字を示していません。 睡眠ガイド2023が書いているのは「暑すぎず寒すぎない温度で」という一文だけです。

2つめ。部屋の基準は2つあり、どちらも18〜28℃でした。 湿度は基準ごとに数字が違いましたが、温度は一致しています。ただしどちらも起きて活動する部屋の基準で、寝室のものではありません。

3つめ。夏と冬は対称ではありません。 夏は室温が上がると睡眠時間が短くなり効率が下がるという報告があり、エアコンで涼しく保つことが重要と書かれています。冬は寝具で寝床内が暖かければ影響は少ないとされています。掛けるものは足せますが、減らしても室温は下がらないからです。

4つめ。冬の18℃は睡眠のための数字ではありません。 夜中のトイレや早朝の起床時に急な寒さで血圧が上がるのを防ぐための数字で、しかもWHOの推奨をガイドが引用したものです。

夏は部屋を冷やす。冬は寝具を厚くする。ただし夜中に布団から出るなら18℃。 これが今回の結論です。

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この記事の出典

調べ方について。 睡眠ガイド2023はPDFの本文から該当箇所をそのまま引用しています。引用文中の強調は当サイトで付けたものです。WHOの住環境ガイドラインの18℃は、睡眠ガイド2023が引用している数値をそのまま紹介したもので、WHOの原文には当たっていません。建築物衛生法と学校環境衛生基準の数値は、それぞれ厚生労働省と文部科学省の公開資料で確認しました。

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