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寝室の音は何デシベルまで?WHOの40dBは屋外の数字です

そもそも、どんな商品か

寝ているときの音の大きさ(騒音)について、国や国際機関がどこまで数字を示しているかを調べた記事です。デシベル(dB)は音の大きさの単位です。

静かにする方法をまとめた記事ではありません。どこで測った何dBなのかを確かめた記事です。

まず結論だけ

  • 数値はあります。夜間の屋外騒音40dB未満。ただしWHOの推奨で、しかも屋外で測ります
  • 日本の住宅地の基準は夜間45dB以下。幹線道路沿いは65dB以下まで許されています
  • 屋内の数字もありました。窓を閉めた生活なら夜間40dB以下。寝室にいちばん近いのはこれです
  • 国が「実験研究は影響を過大評価している可能性」と自ら書いています。慣れで影響が減るためです

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外の音が気になって眠れない。では、何dBまでなら大丈夫なのか。

温度と光を調べたときは、寝室そのものの数値がありませんでした。ところが音には、数値がありました。

ただし読んでみると、その数字は屋外で測るものでした。そして日本には、それより緩い基準と、もっと寝室に近い別の数字が、どちらもありました。

制度・データは2026年8月17日時点で確認しています。

結論:40dBという数字は、屋外のものです

先に答えを書きます。厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023には、こう書かれています。

騒音に対する感受性には個人差があり、騒音による影響を受けやすいとされるこども・高齢者・疾病を有する人の健康を守る観点から、欧州WHOガイドラインは夜間の屋外騒音を40dB未満とすることを推奨しています。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(令和6年2月)(確認日 2026-08-17)

「夜間の屋外騒音」。寝室の中ではありません。家の外で測った音の話です。

そして日本の法令が定める基準は、これより緩い数字でした。住宅地で夜間45dB以下です。

ただし、寝室にもっと近い数字も見つかりました。 日本の基準の中に、窓を閉めた生活なら屋内で夜間40dB以下という条文があります。ここがいちばん実用的でした。

日本の基準は、地域によって25dBも違います

日本には騒音に係る環境基準があります。環境基本法にもとづく告示で、地域の類型ごとに数字が変わります。

夜間(午後10時〜翌午前6時)の基準値を並べます。

地域 夜間の基準
AA(療養施設などが
集まる地域)
40dB以下
A・B(住居用の地域) 45dB以下
C(住居と商業・
工業が混じる地域)
50dB以下
A地域で2車線以上の
道路に面する
55dB以下
幹線道路に
近接する空間
65dB以下

出典:環境省 騒音に係る環境基準について(平成10年環境庁告示第64号・最終改正 平成24年環境省告示第54号)(確認日 2026-08-17)

いちばん静かな地域といちばん緩い場所で、25dBの差があります。

WHOが推奨する40dB未満に当たるのは、いちばん上のAAだけでした。AAは「療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域」と定義されています。

つまり普通の住宅地の基準(45dB以下)を満たしていても、WHOの推奨は超えています。

幹線道路のそばはさらに緩く、夜間65dB以下です。日本の環境基準を守っている場所でも、寝室の環境として静かとは限らないということになります。

デシベルは、音の大きさをそのまま足し算できる単位ではありません。数字の差がそのまま「◯倍うるさい」を意味するわけではない点にご注意ください。この記事では基準どうしの比較にとどめています。

寝室に近いのは「窓を閉めた場合の屋内40dB以下」です

ここが今回いちばん役に立つ発見でした。同じ告示の中に、屋内で測る数字が書かれています。

個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下)によることができる。

出典:環境省 騒音に係る環境基準について(確認日 2026-08-17)

整理すると、こうなります。

どこで測るか 夜間の数字
屋外(WHOの推奨) 40dB未満
屋外(日本の住宅地) 45dB以下
屋内(窓を閉めた場合) 40dB以下

窓を閉めて暮らしているなら、部屋の中で40dB以下。これが寝室にいちばん近い数字です。

この条文は、幹線道路に近接する空間について書かれています。 外が65dBでも、窓を閉めて室内が40dB以下なら基準を満たすという考え方です。建物の防音性能を差し引いて評価するとも書かれています。

つまり、外の音そのものより、窓で何dB落とせるかが効いてきます。

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国が「実験研究は過大評価の可能性がある」と書いています

もうひとつ、珍しい記述がありました。国が自分の挙げた根拠を、自分で割り引いています。

睡眠中に騒音曝露をさせた実験研究からは、騒音によって覚醒頻度が増加し、深い睡眠が減少する結果が報告されています。しかし、騒音による睡眠への影響は、慣れによって減少する現象がみられたことから、実験研究では影響を過大評価している可能性が示されています。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

慣れます。そう書かれています。

実験室で一晩だけ音を聞かせれば、当然よく眠れません。 けれど毎日その環境で寝ている人は、同じようには影響を受けない。だから実験の数字は、実生活より大きく出ている可能性があるという指摘です。

引っ越してきた当初は電車の音が気になったのに、しばらくすると平気になる。 あの現象を、国のガイドが正面から認めていることになります。

ただし、慣れるから問題ないとは書かれていません。 次の章のとおり、実生活の調査では関連が出ています。

実生活の調査では、関連が出ています

慣れの話とは別に、実際に暮らしている人を調べた研究も挙げられています。

実生活下で道路・鉄道・航空機による騒音を屋外で測定し、主観的な睡眠との関連を調査した国際的な大規模研究では、騒音は住民の主観的な睡眠障害と関連していました。さらに近年の研究では、寝室内で測定した騒音が、アクチグラフィーで測定した睡眠効率の低下、入眠潜時・中途覚醒時間の延長と有意に関連したことから、静かな睡眠環境の確保が重要と考えられます。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

アクチグラフィーとは、加速度計を内蔵した小さな装置を身につけて、体の動きから睡眠を測る方法です。本人の申告ではなく、機械で測っています。

そこで関連が出た、というのが重要な点です。 「気にしている人がそう感じている」だけではない、ということになります。

そしてこの研究は寝室内で測っています。 屋外の40dBではなく、部屋の中の音です。前の章で見た「屋内40dB以下」が実用的なのは、そのためです。

対策として書かれているのは、窓と壁でした

では何をすればよいのか。睡眠ガイドが挙げている対策は、ひとつだけです。

屋外の騒音が気になる場合には、十分な防音機能をもった窓や壁を設置して、騒音を遮蔽することも重要と考えられます。

出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日 2026-08-17)

窓と壁。建物側の話です。

耳栓もホワイトノイズも書かれていません。 効かないという意味ではなく、この資料には出てこなかったというだけです。

光のときと同じ構図です。 温度は寝具でカバーできましたが、音は寝具でも寝室の中の工夫でもなく、建物の性能の問題として書かれていました。

買う前に確認しておきたいこと

1つめは、測ってからにすることです。 スマートフォンの騒音計アプリでも、おおよその値は分かります。部屋の中で夜間40dBを超えているのかどうかが、最初の分かれ道です。超えていなければ、原因は音ではありません。

2つめは、窓かどうかを切り分けることです。 屋内の基準が「窓を主として閉めた生活」を前提にしている以上、まず窓を閉めた状態で測ることになります。閉めても変わらないなら、窓の性能の問題です。

3つめは、慣れを織り込むことです。 引っ越し直後や環境が変わった直後は、そのうち軽くなる可能性があると国のガイドが書いています。大きな出費はしばらく様子を見てからでも遅くありません。

4つめは、自分がどの立場かを見ることです。 WHOの40dBは「こども・高齢者・疾病を有する人の健康を守る観点から」設定された数字です。同じ音でも影響の受け方に個人差があると明記されています。

5つめは、順番です。 音は建物側の問題なので、すぐには変えられません。先に手が届くのは温度と光です。夏の暑さは寝室の温度の記事、朝の光は寝室の照明の記事にまとめました。

睡眠の悩みが続く場合は、環境を変える前に医療機関にご相談ください。この記事は公開されている資料を整理したものです。

まとめ

寝室の音について調べて分かったのは、次の4点でした。

1つめ。数値はありました。ただし屋外のものです。 WHOの推奨は夜間の屋外騒音40dB未満。寝室の中の数字ではありません。

2つめ。日本の基準はもっと緩く、地域で25dB違います。 住宅地は夜間45dB以下、幹線道路に近接する空間は65dB以下。WHOの40dB未満に当たるのは、療養施設などが集まるAA地域だけでした。

3つめ。寝室にいちばん近い数字は、屋内の40dB以下です。 窓を主として閉めた生活が営まれている場合、この基準によることができると書かれています。外の音より、窓で何dB落とせるかが効いてきます。

4つめ。国が「実験研究は影響を過大評価している可能性」と自ら書いています。 慣れによって影響が減るためです。ただし実生活の調査では、寝室内の騒音が睡眠効率の低下や中途覚醒(=夜中に目が覚めること)の延長と関連していました。

測るなら部屋の中で、窓を閉めて、40dBを目安に。 これが今回の結論です。

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この記事の出典

調べ方について。 引用はすべて原文からそのまま取っています。引用文中の強調は当サイトで付けたものです。WHOの数値は睡眠ガイド2023が紹介しているものを引いており、WHOの原文には当たっていません。環境基準は環境省が公開している告示の本文から、夜間の基準値と屋内基準の条文を確認しました。デシベルどうしの差については、基準値の比較にとどめ、体感の差には踏み込んでいません。

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