マットレスのシングルは何cm?JISの許容は95〜103cm
そもそも、どんな商品か
マットレスやベッドの「シングル」「セミダブル」といったサイズ名が、実際の幅(cm)とどう対応しているのかを調べた記事です。
床に敷く敷き布団の話ではありません。この記事で読むJIS S 1102は「住宅用普通ベッド」=マットレスとベッドフレームを組み合わせたものの規格で、敷き布団は対象に入っていません。
まず結論だけ
- JIS S 1102に「シングル」「セミダブル」という言葉は一度も出てきません
- 規格が決めているのは幅820・980・1100・1200・1400・1520mmという数字だけです
- しかも呼び寸法980mmの製作寸法は950〜1030mm=同じ表示で8cm違ってよい
- 実際に47点数えると「シングル」は97cm・100cm・90cmの3種類ありました
マットレスを買うとき、たいてい「シングル」「セミダブル」「ダブル」から選びます。あとからシーツを買い、ベッドフレームを買い、それで合うはずだと思っています。
ところがその「シングル」が何cmなのかは、どこにも決まっていませんでした。
日本産業規格(JIS)でベッドを調べると、「シングル」という言葉自体が一度も出てきません。
この記事では、サイズ名の代わりにどの数字を見ればよいかを書きました。同じ「シングル」で幅が何cm違いうるかと、実際の商品の幅も並べています。
制度・データは2026年8月8日時点で確認しています。
「シングル」で合わせると、幅が合わないことがあります
先に答えを書きます。ベッドの規格はJIS S 1102(住宅用普通ベッド)です。マットレスと、それを支えるベッドフレームを組み合わせたものの規格です。
性能・構造・寸法・試験方法を定めています。この規格の本文には、「シングル」「セミダブル」「ダブル」の語が一度も出てきません。「クイーン」「キング」も同じです。
規格が使っているのは「呼び寸法」という言い方です。中身はmmの数字と2桁の略号だけです。
その数字にも幅があります。呼び寸法980mmのマットレスは、実際には950〜1030mmでもかまいません。
同じ「シングル」と書かれた2枚の幅が8cm違っていても、規格の上では何も間違っていません。

規格の表にあるのは幅6つと長さ2つ。cmは決めていません
規格の表を、そのまま書き出します。
表は横にスクロールできます
| 呼び寸法 (幅) |
略号 | 製作寸法の 範囲 |
|---|---|---|
| 820mm | 08 | 790〜870mm |
| 980mm | 09 | 950〜1030mm |
| 1100mm | 11 | 1070〜1150mm |
| 1200mm | 12 | 1170〜1250mm |
| 1400mm | 14 | 1370〜1450mm |
| 1520mm | 15 | 1490〜1570mm |
長さは2つしかありません。
表は横にスクロールできます
| 呼び寸法 (長さ) |
略号 | 製作寸法の 範囲 |
|---|---|---|
| 1950mm | 19 | 1920〜2000mm |
| 2050mm | 20 | 2020〜2100mm |
出典:JIS S 1102:2017 表2 幅及び長さの呼び寸法及びその略号並びに呼び寸法に対する製作寸法の範囲(確認日 2026-08-08)
「呼び寸法」とは、その製品を呼ぶときの代表値です。実際の寸法は、規格では製作寸法といいます。右の列の範囲に入っていればよい、という決め方です。
ベッドフレーム側の寸法にも、独立した数字はありません。 規格は「ベッドフレームの寸法については、マットレスの寸法に準じる」とだけ書いています。フレームもマットレスと同じ呼び寸法で呼ばれる、ということです。

同じ「シングル」でも8cm違ってよい。壁のあいだは実寸で測る
ここがこの記事のいちばん大事なところです。呼び寸法980mmに対して、製作寸法の範囲は950〜1030mmです。cmに直すと95〜103cmで、上と下で8cmの開きがあります。
規格には、もう一段の許容差があります。メーカーが「うちの製作寸法は980mmです」と決めたあと、実物がそこからどれだけずれてよいか、という数字です。
表は横にスクロールできます
| 寸法 | 製作寸法の 許容差 |
|---|---|
| 幅 1000mm未満 | ±20mm |
| 幅 1000〜 1500mm未満 |
+25/−20mm |
| 幅 1500mm以上 | +30/−20mm |
| 長さ | +30/−20mm |
| 厚さ 180mm未満 | ±18mm |
| 厚さ 180mm以上 | ±20mm |
出典:JIS S 1102:2017 表3 製作寸法の許容差(確認日 2026-08-08)
この2つの表を重ねると、呼び寸法980mmの実寸はどこまで許されるのか。規格どおりでも930〜1055mmに収まりうる計算です。12.5cmの開きです。

厚さは、呼び寸法そのものが決められていません。 表2にあるのは幅と長さだけです。厚さは「メーカーが指定した製作寸法に対して±18mmまたは±20mm」としか書かれていません。
「厚さ10cm」と書かれた製品が8.2cmでも、規格の上では通ります。



クイーン・キング・ショート丈には、比べる物差しがありません
規格の幅の上限は1520mmです。市販のマットレスでよく見るクイーンとキングは、この表の外にあります。呼び寸法も略号も用意されていません。
- クイーン=160cm前後 → 幅の表にない
- キング=180cm前後 → 幅の表にない
- ショート丈=180cm前後 → 長さの表にない
長さも同じです。表にあるのは1950mmと2050mmだけです。ショート丈に相当する呼び寸法はありません。
規格の適用範囲そのものにも除外があります。
ベビーベッド、ソファーベッド、二段ベッド、リクライニング式ベッドなど特殊な機能及び構造をもつものは適用対象としない
電動リクライニングベッドや二段ベッド、ソファーベッドは、この規格の対象外です。 寸法の決まりも、規格が定めている耐久性の決まりも、そのままは当てはまりません。

同じ「シングル」の中に、97cm・100cm・90cmが混ざっています
規格がこうなら、実際の商品はどうなっているのか。寝具専門店エムールの全商品から、マットレスと敷き布団を取り出しました。全商品は2026年8月9日に数えて1,126点です。
そのうち仕様欄に幅が書かれていた47点について、サイズ名と幅(cm)を突き合わせました。
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| サイズ名 | 仕様欄に 書かれた幅 |
|---|---|
| セミシングル | 80cm 1点/ 90cm 1点 |
| シングル | 97cm 16点/ 100cm 9点/ 90cm 1点 |
| セミダブル | 120cm 7点/ 118cm 1点 |
| ダブル | 140cm 13点/ 138cm 1点 |
| クイーン | 160cm 10点/ 158cm 1点 |
| キング | 180cm 1点 |
出典:エムール公式オンラインショップの商品ページ仕様欄を集計(確認日 2026-08-08・マットレス/敷き布団47点)
「シングル」と書かれた商品の幅は、3種類ありました。
- 97cm=16点(いちばん多い)
- 100cm=9点
- 90cm=1点
97cmと100cmは、規格の上ではどちらも同じ呼び寸法です。 950〜1030mmの範囲に、両方とも入っているからです。差の3cmは、規格が認めた幅の中に収まっています。
ほかのサイズ名にも、同じ2cmの差がありました。
- セミダブル=120cmと118cm
- ダブル=140cmと138cm
- クイーン=160cmと158cm



規格の呼び寸法に当てはまらない幅もありました。
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| 実際の幅 | 対応するJISの 呼び寸法 |
|---|---|
| 80cm | 820mm (790〜870) |
| 90cm | 該当なし |
| 97cm・ 100cm |
980mm (950〜1030) |
| 118cm・ 120cm |
1200mm (1170〜1250) |
| 138cm・ 140cm |
1400mm (1370〜1450) |
| 158cm・ 160cm |
該当なし |
| 180cm | 該当なし |
クイーンとキングは、実測でも規格の表の外にありました。 幅の上限は製作寸法で1570mmまでです。1580mmも1800mmも、そこに入りません。
90cmも同じです。 820mmの範囲にも980mmの範囲にも入りません。どの呼び寸法にも当てはまらない幅です。
これは折りたたみベッド用のマットレスと、セミシングルの布団マットレスでした。

幅がcmで書いてあるのは、メーカーの自主表示です
「規格が決めていないなら、法律のほうで決まっているのでは」と思うところです。そちらもありませんでした。
寝具の表示を定めているのは家庭用品品質表示法です。この法律とは、日用品に材料や性能の表示を義務づけているものです。品目ごとに「何を表示しなければならないか」が決められています。
表は横にスクロールできます
| 品目 | 表示が 義務づけられている事項 |
|---|---|
| 布団カバー | 繊維の組成/ 家庭洗濯等 取扱方法/ 表示者名等 |
| 布団(掛け・ 敷き・ベッド パッド等) |
繊維の組成/ 表示者名等 |
出典:消費者庁 布団(ふとん)カバー/布団(ふとん)(確認日 2026-08-08)
どちらにも「寸法」は入っていません。 何の繊維が何%使われているか、どう洗うか、誰が表示したか。義務はそこまでです。
カバー側にもマットレス側にも、幅を書かせる決まりがないということになります。書いてある場合は、メーカーが自主的に書いています。
布団カバーには洗濯表示の義務がありますが、布団そのものにはありません。 その理由は布団に洗濯表示がない理由の記事にまとめました。

数cmのずれで困るのは、シーツ・フレーム・搬入の3つです
幅が数cm違うだけで、実際に困るのは次の3つです。
1. ボックスシーツが浮く/張れない
ボックスシーツはマットレスの厚さも込みで作られています。幅が小さいほうに振れていればシーツが余ってしわになり、大きいほうに振れていれば四隅のゴムが届きません。 厚さの許容差が±18〜20mmあることも、ここに効いてきます。
2. ベッドフレームとマットレスの間に隙間ができる
フレームの寸法は「マットレスの寸法に準じる」としか決まっていません。別々のメーカーで買うと、同じ呼び寸法どうしでも数cmずれることがあります。 隙間ができると寝返りのたびにマットレスが動きます。
3. 部屋に入らない/搬入経路を通らない
呼び寸法で部屋のレイアウトを決めると、実寸で数cm足りなくなることがあります。 壁と壁のあいだにぴったり入れる置き方では、呼び寸法ではなく実寸で計算する必要があります。



買う前に見るのは、サイズ名ではなく4つの数字です
1. サイズ名ではなく、cmで見る
「シングル」ではなく「幅97cm」「幅100cm」を見てください。これがいちばん確実な方法です。商品ページの仕様欄に、幅×奥行×厚さが書かれているはずです。
2. マットレスとシーツは、同じ実寸で合わせる
サイズ名が同じでも合うとは限りません。ボックスシーツは、対応するマットレスの幅と厚さの範囲が書かれていることが多いので、そちらを見ます。
3. フレームを別で買うなら、内寸を確認する
フレームの商品ページには外寸しか書かれていないことがあります。マットレスが乗る部分の内寸が必要です。書かれていなければ、販売店に聞くのが確実です。
4. 厚さも書かれているか見る
厚さは呼び寸法そのものがない項目です。ボックスシーツのマチ(側面の深さ)を選ぶときに必要になります。



まとめ
マットレスのサイズについて、規格と法律はこうなっています。
JIS S 1102(住宅用普通ベッド)に、サイズ名は一度も出てきません。「シングル」「セミダブル」「ダブル」「クイーン」「キング」のどれもです。規格が決めているのは呼び寸法の数字だけです。
- 幅=820・980・1100・1200・1400・1520mm
- 長さ=1950・2050mm
その呼び寸法にも幅があります。 呼び寸法980mmに対して製作寸法は950〜1030mmまで認められていて、さらに製作寸法の許容差が乗ります。同じ表示のマットレスの幅が数cm違っていても、規格の上では正常です。
クイーン・キング・ショート丈は、そもそも表にありません。電動リクライニングベッドや二段ベッド、ソファーベッドは規格の適用対象外です。
実際に47点の仕様欄を数えると、「シングル」の幅は3種類ありました。 97cmと100cmは、同じ呼び寸法に収まる別の実寸です。クイーンとキングは、どの呼び寸法にも当てはまりませんでした。
家庭用品品質表示法にも、布団やカバーに寸法を表示させる義務はありませんでした。 義務は繊維の組成と、カバーの洗濯表示と、表示者名までです。
サイズ名は目安として使い、合わせるときは必ずcmで見るという結論になります。シーツ・フレーム・マットレスを別々に買うときは、3つとも実寸を確認してください。

- 「シングル」は規格の言葉ではありません。JIS S 1102が決めているのは呼び寸法の数字だけで、同じ表示で8cm違っても規格の上では正常です
- 同じ店の「シングル」でも、97cmと100cmが混ざっていました。47点のうち16点と9点で、3cmの差は規格が認めた幅の中です
- 合わせるときは、サイズ名ではなくcmで見てください。シーツはシーツ側の対応範囲、フレームは内寸、厚さはマチに余裕を見て選びます
厚さが分かると、ボックスシーツが選べます。 ただしシーツの「マチ30cm」は「厚さ30cmまで使える」という意味ではありません。実際に対応するのは25cmまで、という商品がありました。
そちらはボックスシーツのマチを調べた記事にまとめました。マットレスの上にベッドパッドを重ねるなら、その厚さも足して考えます。 パッド側の厚さは敷きパッドとベッドパッドの厚さを調べた記事にあります。
同じJIS S 1102は、マットレスの耐久性も決めています。 そちらも年数ではなく「80,000回加圧してへたり40mm以下」という回数の基準でした。へたりとは、使ううちに厚みが減って、元に戻らなくなることです。
買い替えの目安と保証の中身はマットレスの寿命は何年かの記事にまとめました。
寝具の数字の見方は、ほかにもいくつか記事にしています。
- 硬さの「◯N」は測り方が5種類あること → 高反発・低反発の記事
- 羽毛のダウンパワー(=羽毛のふくらみやすさを表す数字) → ゴールドラベルの記事
- 洗濯表示の義務の有無 → 布団に洗濯表示がない理由の記事
この記事の出典
この記事は、次の4つを確かめて書きました。
- JIS S 1102(住宅用普通ベッド)の本文で、マットレスの寸法がどう決められているか
- 「シングル」などのサイズ名が規格に出てくるかを、全文で確認
- 家庭用品品質表示法に寸法の表示義務があるかを、消費者庁の品目別ページで確認
- 実際の商品の幅を、寝具専門店の商品ページから集計
すべて2026年8月8日に確認しました。
- JIS S 1102:2017 住宅用普通ベッド(1 適用範囲=ベビーベッド・ソファーベッド・二段ベッド・リクライニング式ベッドは対象外/7.1 ベッドフレームの寸法はマットレスの寸法に準じる/表2 幅及び長さの呼び寸法と製作寸法の範囲/表3 製作寸法の許容差)
- 消費者庁 家庭用品品質表示法 繊維製品一覧表 布団(ふとん)カバー(表示事項=繊維の組成・家庭洗濯等取扱方法・表示者名等)
- 消費者庁 家庭用品品質表示法 繊維製品一覧表 布団(ふとん)(表示事項=繊維の組成・表示者名等)
- エムール公式オンラインショップ(実際の商品幅の集計元)
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