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マットレスの選び方
硬さの数字で選べない理由と、代わりの3つの基準

そもそも、どんな商品か

マットレスの選び方を、当サイトが実物を数えて書いた記事の数字だけでつなぎ直したまとめです。硬さ・体重・サイズ・寿命・厚さ・お試し条件・口コミの7つを、どの順で見ると絞り込めるかという順番に並べています。

おすすめの商品を順位づけする記事ではありません。代わりに、カタログの数字のうち何が比べられて、何が比べられないかを、集計した点数とともに示しています。個別の商品については、それぞれを数えた記事へ案内します。

まず結論だけ

  • ⭐同じ「高反発」で150Nから260N。法律の区分は3つしかなく、110N以上はぜんぶ「かため」です
  • 体重からは硬さが決まりません。体重50kgの人に、100Nと170Nの両方が勧められていました
  • ⭐同じ「シングル」で90cm・97cm・100cmの3種類。JISに「シングル」という言葉はありません
  • ⭐だから最後に残る基準は自宅で試せる条件です。返すときの費用は0円と12,000円に分かれました

試せる条件の比べ方を見る →

「高反発」(=押すと押し返す力が強く、体が沈みこみにくいという意味で使われる言葉)と書かれたマットレス55点を数えたところ、硬さは150Nから260Nまで開いていました。しかも、そのうち22点は硬さの数字そのものを書いていません

同じ言葉、同じ売り場、1.7倍ちがう硬さです。

数字が書いてあるものを選べば失敗しないはずだ、と思って調べはじめると、読むほど「どの数字を信じればいいのか」のほうが分からなくなります。これは調べ方が悪いのではなく、比べる土台のほうが揃っていないためです。

この記事では、当サイトがこれまでに実物を数えて書いた記事の数字だけをつないで、どこまでは数字で絞れて、どこから先は数字では決まらないのかを順番に並べます。集計はいずれも各記事に書いた日付時点のものです。

結論|マットレスの選び方は「絞る3つ」と「決める1つ」に分かれます

先に順番だけ書きます。

段階 見るもの 何が分かるか
1 硬さ(N) 同じ表示でも重なる。
候補を外すのには使える
2 サイズ(cm) 呼び名では決まらない。
実寸を見れば決まる
3 寿命・保証 年数では決まらない。
保証の対象外の欄
分かれる
4 自宅で
試せる条件
ここだけは会社ごとに
はっきり違う。
最後はここで決まる

1から3は候補を減らす作業で、1つに決める作業ではありません。当サイトが数えたかぎり、カタログの数字だけで1点に絞りきれた場面はありませんでした。

そして4だけは、0円か12,000円か14日目から返せるのか100日たつまで返せないのかという形で、はっきり分かれます。選び方の最後の分岐点は、寝心地の予想ではなく契約条件のほうにあります。

硬さのNは、同じ数字でも同じ硬さではありません

硬さは「◯N(ニュートン)」で表されます。ニュートンは、ウレタンをへこませるのに必要な力の大きさで、数字が大きいほど硬いという意味です。ここがいちばん誤解されている数字です。

数えたこと 結果
「高反発」55点のうち
Nを書いていた数
33点(22点は記載なし)
その33点の範囲 150N〜260N
法律が決めている区分 3つだけ
110N以上はかため/
75〜110N未満ふつう/
75N未満やわらかめ
表示150Nのときの
許容誤差
±35N
(表示値+200Nの±10%以内)
JISにある硬さの測り方 5種類(A法〜E法)

読み方は3つあります。

  • 110N以上はぜんぶ「かため」です。 150Nも260Nも、法律の言葉では区別がつきません
  • 150N表示と180N表示の差は、誤差の範囲に収まります。 許容が±35Nあるためです
  • 測り方が5種類あります。 ウレタンマットレスの硬さ表示だけは法律がA法を指定していますが、まくらは家庭用品品質表示法(=日用品に、材料や性能の表示を義務づけている法律)の対象外で、表示は製造者の自由です

つまりNは「近い数字どうしを比べる道具」ではなく、「遠い数字を外す道具」です。 100N台と250N台を分けるのには使えます。150Nと170Nのどちらが自分に合うかは、この数字では決まりません。

くわしくは高反発マットレスの後悔|55点を数えたら硬さは150〜260Nでした高反発・低反発に定義はある?硬さ「◯N」の測り方は5種類ですに、集計と規格の条文を載せています。

体重から硬さを決めることはできませんでした

「体重◯kgなら◯N」という表を見たことがある方は多いと思います。当サイトはその表のほうを数えました。

数えたこと 結果
体重50kgの人に
勧められていた硬さ
100N〜170N
100N表示の実物の範囲
(誤差込み)
70〜130N
170N表示の実物の範囲
(誤差込み)
133〜207N
同じ140Nの
割り当てられ方
「45kg以下」
「標準体型」
「やや肥満」の3通り
1ページ目8ページのうち
体重とNを結びつけていた数
4ページ

同じ140Nが、45kg以下の人にも、やや肥満の人にも勧められていました。 誤差を足しても100N表示と170N表示の実物は重なりません。それでも、勧める側の表は重なります。

体重を入れれば硬さが1つに決まる、という前提が成り立っていません。→ マットレスの硬さは体重で決まる?50kgに100Nと170Nが出ました

サイズは「シングル」では決まらず、cmでは決まります

ここは、上の2つとは結論が逆になります。呼び名は当てになりませんが、実寸は当てになります。

数えたこと 結果
JIS S 1102に出てくる「シングル」 一度も出てきません
規格が決めている幅 820・980・1100・1200・1400・1520mm
呼び寸法980mmの
製作寸法
950〜1030mm
(同じ表示で8cm違ってよい)
実物47点の「シングル」 90cm・97cm・100cmの3種類

規格が決めているのは数字のほうで、名前のほうは決めていません。だから「シングル」で買うと10cmずれることがあり、「幅97cm」で買えばずれません。ベッドフレームや、掛け布団との組み合わせを考えている方は、名前ではなくcmで揃えてください。

掛け布団のほうも同じ構造で、JISの「S」はシングルの略ではありませんでした。→ マットレスのシングルは何cm?JISの許容は95〜103cm掛け布団のサイズは何cm?JISのSはシングルではありません

寿命は年数ではなく、保証の「対象外」の欄で分かれます

「10年保証」「30年保証」という言葉も、そのままでは比べられません。

数えたこと 結果
JIS S 1102が
決めている耐久性
80,000回の加圧で
へたり40mm以下

(年数の規定はなし)
ニトリの品質保証30年 スプリング部分のみ
規約でクッション材の
へたりは対象外
フランスベッド へたり・におい・軋み音は
保証の対象外
と明記
逆の例 「芯材の20%以上の凹み」を
年数つきで保証している店も
ありました

マットレスがだめになったと感じる原因の多くは「へたり」ですが、その へたりが保証の対象外になっている保証があります。 年数の大きさではなく、何が対象外と書いてあるかを読み比べてください。→ マットレスの寿命は何年?JISが決めているのは8万回です

厚さで分かるのは、寝心地ではなく「情報の量」でした

厚さは、当サイトが4つのカテゴリで数えました。ここで見えたのは寝心地の差ではなく、厚いほど数字が公開されるという傾向です。

商品 数えた点数 厚さ 厚さを書いている割合
マットレス 80点 78点
敷き布団 24点 4〜15cm(3.75倍)
トッパー 14点 4・5・6cmの3種類だけ
敷きパッド 25点 5mm〜8cm 6点
  • 厚さ5cmを境に、書かれる情報が変わります。 5cm以上のウレタン製には硬さも復元率(=押しつぶしたあと、元の厚さにどれだけ戻るかの割合)も付きます
  • 法律が決めた「かため・ふつう・やわらかめ」の区分は、80点中1点でしか使われていませんでした
  • 「敷きパッド」という言葉は、法律にもJISにもありません。 25点中15点が、1つの商品名にベッドパッドと敷きパッドの両方を書いています

いま使っているマットレスに1枚足して寝心地を変えたい、という選び方をする場合は、厚さ5cm以上を選ぶと硬さの数字が付いてくるぶん比べやすくなります。→ マットレストッパーの厚さは何cm?14点とも4〜6cmでした敷きパッドとベッドパッドの違いは?厚さは5mm〜8cmでした敷き布団の厚さは何cm?|24点は4cmから15cmまで

最後に残る基準は、自宅で試せる条件です

ここまでの4つは、どれも候補を減らすだけで1点には決まりませんでした。残るのは、合わなかったときにどうなるかです。ここは会社ごとにはっきり違います。11社の公式サイトを1社ずつ確認しました。

比べる欄 分かれ方
返すときの費用 0円
NELL・エマ・スリープ・LIMNE
12,000円
快眠タイムズ
返送料0円と
明記している数
11社中3社
いつから返せるか 14日目から
100日たつまで返せない
店で買った場合 寝てしまうと返せません
(ニトリは「試し使用は除く」)

「100日間お試し」という同じ言葉に、2つの意味があります。

  • 100日以内ならいつでも返せるという意味
  • 100日たつまで1日も返せないという意味(100日使ったあとに窓が開く)

たとえば雲のやすらぎプレミアムの100日返金保証は後者で、100日間使ったあと15日以内に電話し、連絡後7日以内に返送、送料は購入者負担です。対象は公式サイトで買った初めての方・1回1点限りで、同じメーカーが運営するYahoo!ショッピング店は対象外でした。価格は同じ44,800円(シングル・税込)でも、付いてくる条件が違います。

NELLの120日間フリートライアルは前者で、14日目から120日目までのいつでも・返品送料無料です。ただし寝心地に関係のない理由(サイズ違い・色味など)では返せません

日数の大きさで比べると逆になることがあります。 見るのは「いつから」「いくら」「誰が対象か」の3つです。→ マットレスのお試し期間を11社で調べた|返すときの費用は0円と12,000円に分かれる

口コミを読むなら、書かれた日を見ます

最後に、他人の評価をどう使うかです。当サイトは2社ぶんの口コミを全件読んで数えました。

数えたこと ネルマットレス 雲のやすらぎプレミアム
読んだ口コミ 90件(楽天) 1,691件(Yahoo!)
注文から14日たたずに
書かれたもの
41件(46%)
「柔らかい・沈む」
/「硬い」
柔5件/硬0件 340件/79件=4.3倍
★1のうち本文が空 35%
  • NELL自身が「寝具は2週間程度使用しないと、からだに合うものかどうかわからない」と書いています。 その会社の口コミの46%が、14日たたないうちに書かれていました
  • 低い評価ほど、理由が書かれていません。 ★1の3件に1件は本文が空でした
  • 同じ商品でも、モールが違えば件数が241倍違いました(楽天7件/Yahoo!1,691件)。1か所だけ見て「評価が少ない商品」と判断しないでください

そして雲のやすらぎプレミアムは、公式ショップに層ごとの硬さが載っています。上層115N・中層170N・下層115Nで、体が最初に触れる上層115Nは、当サイトが数えた高反発55点の下限150Nより低い数字です。 「思ったより柔らかい」という感想が4.3倍多いことと、数字の向きが合っています。→ ネルマットレスの口コミ90件を数えた|41件は14日未満でした雲のやすらぎプレミアムの口コミ1,691件|柔らかい側が硬い側の4倍

まとめ|マットレスの選び方は、数字で絞ってから試せる条件で決める

硬さのNは、遠い数字を外すためには使えますが、近い数字を比べる道具にはなりません。 同じ「高反発」で150〜260N、法律の区分は110N以上がぜんぶ「かため」、150N表示の許容誤差は±35Nあるからです。体重からも決まりません。 50kgの人に100Nと170Nの両方が勧められ、同じ140Nが3通りの体型に割り当てられていました。

サイズだけは、cmで揃えれば決まります。 「シングル」は90cm・97cm・100cmの3種類ありました。寿命は年数ではなく、保証の対象外の欄で分かれます。 へたり(=使ううちに厚みが減って、元に戻らなくなること)が対象外になっている30年保証があります。

そのうえで残る基準が、自宅で試せる条件です。返すときの費用は0円と12,000円に分かれ、「100日間お試し」には100日以内なら返せるという意味と、100日たつまで返せないという意味の2つがありました。カタログで絞りきれない以上、自分の体で確かめる期間そのものを条件として選ぶことになります。

その条件を数字で公開しているのが下の2社です。NELLは120日間フリートライアルで、14日目から120日目までのいつでも、返品送料は無料です。ただし寝心地に関係のない理由では返せず、Model H は制度の対象外で、沖縄への配送料10,000円は返金されません雲のやすらぎプレミアムは、上層115N・中層170N・下層115Nと層ごとの硬さを公開しています。当サイトが数えた三つ折り442点でも、層ごとに数字を書いていたのは29点でした。シングル44,800円です。こちらの100日返金保証は100日使ったあとの15日間が窓で、返送送料は購入者負担・公式サイトで買った初めての方1回1点限りという条件が付きます。条件も価格も変わることがあるので、申し込む前に公式サイトでご確認ください。


この記事の出典

この記事は、当サイトがこれまでに実物を数えて公開した記事の集計結果を、選ぶ順番に並べ直したものです。それぞれの集計方法・点数・調査日は、本文中でリンクした各記事に書いています。数字の根拠になった一次資料のうち、この記事で直接引用したものを挙げます。

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