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高反発マットレスの後悔
55点を数えたら硬さは150〜260Nでした

そもそも、どんな商品か

高反発マットレスの「硬さ」の表示を数えた記事です。通販に並ぶ55点と直販8製品の商品ページを1つずつ見たうえで、国が硬さの表示をどう決めているかを家庭用品品質表示法の本文で確認しました。

おすすめの1台を選ぶ記事ではありません。代わりに、買う前に硬さを数字で確かめられるのはどれか、その数字はどこまで信じてよいのかを、実際の表示と法律の規定から書いています。

まず結論だけ

  • ⭐「高反発」を名乗る55点のうち、硬さのNを書いていたのは33点。22点は数字がありません
  • ⭐書いてあるものも150Nから260Nまで。同じ「高反発」で1.7倍の開きがあります
  • ⭐法律の区分は3つだけで、110N以上はぜんぶ「かため」。150Nも260Nも同じ言葉になります
  • ⭐表示の許容誤差は150Nなら±35N。150Nと180Nの差は、誤差の中に収まります

法律が決めている書き方を見る →

モットン公式サイトで3つの硬さを見る ※ 写真と価格は公式サイトで見られます

高反発(=押すと押し返す力が強く、体が沈みこみにくいという意味で使われる言葉)マットレスを買って合わなかった、という話はたいてい同じところに行き着きます。硬すぎた、か、やわらかすぎた、です。

だったら買う前に硬さの数字を見ればいい——そう思って商品ページを開くと、数字が書かれていないことがあります。

「高反発」を名乗るマットレス55点の商品ページを、1点ずつ数えました。硬さのN(ニュートン)が書いてあったのは33点。22点には数字がありませんでした。

そして書いてあるものも、150Nから260Nまで開いていました。 同じ「高反発」という言葉です。

数字を見て選んだつもりが、選べていなかった。 後悔の多くは、ここから始まります。

集計と制度の確認は2026年8月29日に行いました。

結論:硬さの表示は法律で決まっていますが、選ぶには粗すぎます

先に結論を書きます。

調べたこと 結果
「高反発」を名乗る
マットレス
55点
うち硬さのNを
書いていた
33点
書いていない 22点
書いてある値の幅 150N〜260N
法律の硬さの区分 3つだけ
110N以上は
ぜんぶ「かため」
150Nと表示するときの
許容誤差
±35N

ウレタンのマットレスは、硬さをニュートンで表示することが法律で決まっています。 測り方も1つに指定されています。

それでも選ぶには足りません。 区分は3つしかなく、110N以上はすべて「かため」にまとめられます。150Nも260Nも、法律のうえでは同じ言葉です。そして数値のほうにも±35Nの幅が認められています。

N(ニュートン)は、ウレタンをどれだけの力で押しつぶせるかを表す数字です。大きいほど硬い、という向きで使われます。

「高反発」を名乗る55点を数えました

通販の寝具店エムールで、商品名に「高反発」と「マットレス」の両方が入る商品を全部取り出し、各商品ページの素材欄を1点ずつ読みました。55点ありました。

表示 点数
硬さのNが
書いてある
33点
書いていない 22点
└ うち3Dファイバー
 (ウレタンでない)
6点
ウレタンなのに
 数字なし
16点

数字がない22点のうち6点は、素材が3Dファイバーでした。 これは細い樹脂の糸をからめて固めた中材で、ウレタンではありません。Nはウレタンの試験の数字なので、そもそも出ません。 これは表示の落ち度ではなく、素材が違うということです。

残る16点は、ウレタンなのに商品ページに硬さの数字がありませんでした。

書いてある33点の値は、150Nから260Nでした

「高反発ウレタン」と明記された層の数値だけを取り出すと、こうなりました。

点数
150N 3点
170N 1点
180N 8点
190N 3点
200N 5点
220N 7点
260N 4点

いちばん軽い150Nと、いちばん重い260Nでは1.7倍です。どちらも「高反発」と書かれて売られています。

「高反発」と呼ばれている硬さの幅 同じ「高反発」で、硬さは1.7倍違います 通販55点で見つかった幅=150〜260N 100N 150N 200N 250N モットンは3つから選べます 140N 170N 280N
図:「高反発」と書かれている商品の硬さは、150Nから260Nまでばらついています

商品名が「高反発」でも、素材欄の数字は110Nでした

もうひとつ、見つけたものがあります。

商品名が「プロがつくった シンプルな 高反発マットレス」なのに、素材欄には「ウレタンフォーム(30kg/m3) 110N(復元率97%)」とだけ書かれた商品がありました。

110Nは、55点の中でいちばん低い数字です。 それでも商品名は「高反発マットレス」です。前の記事で確かめたとおり、「高反発」という言葉にJISの定義はありません高反発・低反発に定義はある?)。何Nから高反発と呼ぶかは、各社の判断ということになります。

モットン公式サイトで3つの硬さを見る ※ 写真と価格は公式サイトで見られます

法律は「かため(150ニュートン)」と書け、と決めています

ここからが本題です。マットレスの硬さの表示は、各社が自由に決めているわけではありませんでした。

家庭用品品質表示法(=日用品に、材料や性能の表示を義務づけている法律)は、ウレタンフォームの部分の最大の厚さが50mm以上のマットレスを対象品目にしていて、表示すべき項目を8つ定めています。

表示すべき項目 中身の例
材料 ウレタンフォーム
構造 1枚もの 波形/平形 など
寸法 厚さ・幅・長さ
硬さ かため(150ニュートン)
復元率
(=押しつぶしたあと
元の厚さに戻る割合)
96% など
外装生地の組成 ポリエステル100%
使用上の注意 火に近づけない旨
表示者名等 名称と連絡先

硬さは、書き方まで決まっています。 用語(かため/ふつう/やわらかめ)を表示し、数値をかっこ書きで付ける、という形です。

そして測り方も1つに指定されています。 JIS K 6400-2のA法(40%定圧縮して30秒後の力を求める方法)です。JISの硬さ試験にはA法からE法まで5種類ありますが、マットレスの表示に使ってよいのはA法だけ、と国が決めています。

これは、前の記事に対する大事な補足になります。 「測り方が5種類あるから比べられない」と書きましたが、ウレタンマットレスの法定表示にかぎっては、測り方は1つにそろっています。

ただし、区分は3つしかありません

問題はここです。法律が定める硬さの区分は、次の3つだけです。

区分 表示する用語
110ニュートン以上 かため
75ニュートン以上
110ニュートン未満
ふつう
75ニュートン未満 やわらかめ

110N以上は、ぜんぶ「かため」です。 数えた55点で見つかった150Nも、260Nも、法律のうえでは同じ「かため」という一語になります。

高反発マットレスと呼ばれるものは、ほぼ全部が110N以上です。 つまり「かため」という表示は、高反発マットレスを選ぶときには何の区別にもなりません。 かっこ書きの数値のほうを見るしかありません。

数値にも±35Nの幅が認められています

そのかっこ書きの数値にも、幅があります。

法律は許容範囲を、「その硬さを示す数値に200ニュートンを加えたものの±10%以内」と定めています。計算するとこうなります。

表示 認められる幅 実際の範囲
150N ±35N 115〜185N
180N ±38N 142〜218N
200N ±40N 160〜240N
260N ±46N 214〜306N

150Nと表示された製品は、実際には115Nから185Nの間ならよいということです。

ここから、こういうことが言えます。150Nと180Nの差は30Nですが、150N表示に認められている幅は±35Nです。表示の数字が30違っていても、実物は同じ硬さかもしれません。

数十Nの差を気にして選ぶ意味は、あまりありません。 見るなら、150Nと260Nのような100N単位の差です。

直販8製品のうち、硬さを選べるのは1つだけでした

つぎに、テレビや広告でよく見る直販のマットレス8製品について、公式サイトの商品ページを1つずつ確認しました。

製品 硬さの表示 硬さを
選べるか
モットン 140N/170N
/280N

注文時に選ぶ
コアラ
オリジナル
かため
(265
ニュートン)
×
快眠タイムズ
エコラテエリート
14cm
かため
(200
ニュートン)
×
快眠タイムズ
エコラテエリート
10cm
かため
(150
ニュートン)
×
雲のやすらぎ
48N/80N
/230N
(層ごと)
×
雲のやすらぎ
プレミアム
記載なし ×
エマ・プレミアム
V2n
記載なし ×
リムネ
エントリーモデル
記載なし ×

コアラと快眠タイムズは、法律が定めた書き方そのままでした。 「かため(265ニュートン)」「波形/かため(150ニュートン)/復元率98%」という具合に、用語と数値がそろっています。

モットンは数値だけで、用語は書かれていません。 ただし3つとも110N以上なので、区分としてはいずれも「かため」に当たります。

残る3製品は、商品ページに硬さの数値がありませんでした。 ここは誤解のないように書きます。法律が求めているのは製品本体の表示票への記載で、通販ページへの書くことは義務ではありません。 届いた製品のタグには書かれているはずです。買ったあとには分かるが、買う前には見えない、ということです。

硬さを選べるのはモットンだけでした

8製品のうち、硬さを選べるのはモットンの1製品だけです。注文フォームに「かたさ」の欄があり、140N(ソフト)/170N(レギュラー)/280N(ハード)から選びます。あわせて体重の目安も示されていて、45kg以下ならソフト、46〜80kgならレギュラー、81kg以上ならハードとされています。

140Nと280Nは2倍の差です。前の節で書いたとおり、この大きさの差なら許容誤差に埋もれません。選ぶ意味のある差です。

同じブランドの中でも、出ているものと出ていないものがあります

雲のやすらぎは、「極」ではNを出していて、「プレミアム」では出していませんでした。 極の素材欄には低反発(=押すとゆっくり沈み、手を離すとゆっくり戻る性質)ウレタン48N、高反発ウレタン80N、ボトムの高硬度(=硬い、という意味)ウレタン230Nと層ごとに書かれています。プレミアムのページには「高反発」という言葉はありますが、数字はありませんでした。

快眠タイムズのエコラテエリートは、厚みで数字が違いました。 10cmの三つ折りが150N、14cmの一枚ものが200Nです。同じシリーズ名でも、厚みが変われば硬さも変わります。シリーズ名で選ぶと、この差が見えません。

モットン公式サイトで3つの硬さを見る ※ 写真と価格は公式サイトで見られます

メーカー自身が「最適な硬さ=好みの硬さではない」と書いています

数字で選べば正解にたどり着ける、という話でもありません。

モットンの公式ページには、こう書かれています。

必ずしも「腰への負担が少ない最適な硬さ=好みの硬さ」ではありません。

同じページには、ウレタンは反発弾性(%)・体圧分散(=体の重さを一か所に集めず、広い面で受けること)・密度(D)・硬さ(N)の4つが関係していて、そのバランスが大事だという説明もあります。硬さのNは、4つのうちの1つでしかない、ということです。

売っている側が「数字だけでは決まらない」と書いている。 これは、買う側にとってかなり重要な情報だと思います。

なお密度(D)は、1立方メートルあたり何kgのウレタンが詰まっているかを表す数字で、へたりにくさの目安として使われます(へたり=使ううちに厚みが減って、元に戻らなくなること)。モットンは30D、エムールの55点では20Dから38Dまで並んでいました。

後悔しないための備えは、3つしかありません

数字は3つの区分と±35Nの幅にならされていて、しかも硬さは4つの要素のうちの1つでしかない。では、どうするか。買ったあとに調整できるかどうかを、買う前に見ておくことになります。

備え 中身 あった製品
①硬さを選ぶ 注文のときに
硬さを指定する
モットン
(3つから)
②硬さを交換する 使ったあとに
別の硬さへ替える
モットン
(4,500円/個・1回)
③返す 合わなければ
返金してもらう
お試し期間の
ある各社

①ができる製品は、調べた8製品ではモットンだけでした。

②の交換は、モットンが「返金保証期間内であれば、配送手数料4,500円/個のみで1回のみ交換可能」としています。 硬さだけでなくサイズの交換にも対応しています。

③の返品条件は会社ごとにまったく違います。 返すときの費用が0円の会社と12,000円の会社があり、「100日間お試し」という同じ言葉が正反対の意味で使われていることもあります。ここは別の記事で11社ぶん並べました(マットレスのお試し期間を11社で調べた)。

買う前に確認しておきたい条件

⚠交換すると、返金保証は使えなくなります。

モットンの公式ページには、「1度交換を行いますと返金保証期間内であっても返金保証対象外となります」と書かれています。つまり②と③は両立しません。 硬さを1回替えたら、そのあと「やっぱり返したい」はできない、ということです。

そしてモットンの返金保証は、90日間使ったあと14日以内に連絡する形です。90日たつまでは返せません。「90日間お試し」と書いてありますが、90日以内ならいつでも返せる、という意味ではありません。

返送料は、買った側の負担です。 モットンの特定商取引法に基づく表記に、「返金の場合、配送手数料・代引き手数料・銀行振込み手数料・印紙代・商品返品の際の送料はお客様ご負担となります」と書かれています。印紙代は、合計購入金額が5万円以上のときに発生します。

快眠タイムズは100日間のお試しがありますが、返すときに8,000〜12,000円かかります。

硬さが体に合うかどうかには個人差があります。腰や背中に痛みが続いている場合は、寝具を替える前に医療機関にご相談ください。

向いている人/慎重になったほうがよい人

硬さを選べる製品(モットン)が向いている人

  • 体重が45kg以下、または81kg以上の方。 標準的な硬さ1種類しかない製品では、合わない側に振れやすくなります
  • 前に買ったマットレスが硬すぎた/やわらかすぎたという失敗をしている方
  • 硬さを1回替えれば納得できそうで、返金までは求めていない

慎重になったほうがよい人

  • 返せることを最優先にしたい方。 モットンは交換すると返金保証が消えます。返品重視なら、返送料0円の会社を先に見たほうが早いです
  • すぐに返したい方。 モットンも雲のやすらぎも、一定の日数を使うまで返せません
  • 3Dファイバーやコイルを検討している方。 Nはウレタンの数字なので、そもそも比べる土俵が違います

まとめ|高反発マットレスで後悔しないために見るのは、100N単位の差です

「高反発」を名乗るマットレス55点のうち、硬さのNを書いていたのは33点、書いていないのは22点でした。 書いてある値も150Nから260Nまで、1.7倍の開きがあります。

ウレタンマットレスの硬さは、家庭用品品質表示法で表示が義務づけられていて、測り方もJISのA法1つに指定されています。 数字は、思っていたよりそろっています。

それでも選ぶには粗すぎました。 区分は3つしかなく、110N以上はぜんぶ「かため」。150Nと表示するときの許容誤差は±35Nで、150Nと180Nの差は誤差の中に収まります。

見るなら100N単位の差です。 そして数字で決めきれない残りは、合わなかったときに硬さを選び直せるか、返せるかで埋めるしかありません。

硬さを選び直せる商品は、調べた直販8製品のうちモットン1つだけでした。 140N・170N・280Nの3つから選べて、交換は1回(配送手数料4,500円/個。交換すると返金保証は消えます)。快眠タイムズは、硬さのNを商品ページに書いている売り場です(返送料は8,000〜12,000円)。数字も条件も変わることがあるので、買う前に公式サイトでご確認ください。

モットン公式サイトで3つの硬さを見る ※ 写真と価格は公式サイトで見られます
快眠タイムズで硬さの数字を見る ※ 販売サイトに移動します

この記事の出典

この記事は、通販の寝具店エムールに掲載されている商品のうち、商品名に「高反発」と「マットレス」の両方を含む55点の商品ページを機械的に取得し、素材欄の硬さ(N)の記載を1点ずつ数えたものです。あわせて直販8製品の公式商品ページを開き、硬さの数値と表示の書き方、硬さの選択肢を確認しました。硬さの表示義務・区分・測定方法・許容範囲は、消費者庁の家庭用品品質表示法のページで確認しています。許容範囲の数値は、規定の計算式(表示値+200ニュートンの±10%)をこちらで計算したものです。

集計と確認はすべて2026年8月29日に行いました。

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