キーボードの高さは何mm?本体は35mm以下、置く高さは肘で決める
そもそも、どんな商品か
キーボードの高さ・傾き・キー間隔など、寸法に関する国の規格についての記事です。自分のキーボードが規格の範囲に収まっているかを確かめる内容です。
おすすめのキーボードを選ぶ記事ではありません。キーボード本体の寸法と、それを置く高さは別の話で、国が数字を決めているのは本体のほうだけでした。
まず結論だけ
- 基準列の高さは35mmを超えてはならない、30mm以下が望ましいと決まっています
- キーの間隔は19mm±1mm。ノートパソコンはこれより狭い設計があります
- 置く高さの基準はcmではなく「上腕と前腕の角度が90度以上」。数字があるのは机と椅子のほうです
- 手首を乗せる台がないと肩のこりが増える、と調査結果まで書かれています
キーボードは、たいてい机の上にそのまま置いて使います。高さも角度も、意識したことがない方が多いと思います。
ところが調べてみると、キーボードには寸法の規格がありました。 高さも、傾きも、キーとキーの間隔も、数値で決まっています。
そして厚生労働省のガイドラインには、手首を乗せる台がないと肩のこりが増えるという調査結果まで書かれていました。
制度・データは2026年8月7日時点で確認しています。
結論:高さ35mm、傾き0〜15度が規格の線です
先に答えを書きます。
JIS Z 8514(人間工学-視覚表示装置を用いるオフィス作業-キーボードの要求事項)に、寸法が定められています。
表は横にスクロールできます
| 項目 | 規格の数値 |
|---|---|
| 基準列の高さ | 35mmを 超えてはならない (30mm以下が 望ましい) |
| 傾斜角 | 0〜15度 (5〜12度が 望ましい) |
| キーの 中心間距離 |
19mm±1mm |
| キーの変位 (ストローク) |
1.5〜6.0mm (2.0〜4.0mmが 望ましい) |
| 押下力 | 0.25〜1.5N (0.5〜0.8Nが 望ましい) |
| パームレストの 奥行き |
50〜100mm が望ましい |
出典:JIS Z 8514:2000 人間工学-視覚表示装置を用いるオフィス作業-キーボードの要求事項(確認日 2026-08-07)
基準列とは、ホームポジション(AやJのある段)のことです。 その高さが机の面から35mmを超えてはいけない、と決まっています。
「望ましい」ではなく「してはならない」と書かれているのは、この高さの項目です。規格の中でも強い書き方になっています。
置く高さは、cmではなく「肘の角度」で決まっています
キーボードで気になるのは、本体の厚みよりどの高さに置けばいいかのほうだと思います。ここについて、国はcmではなく角度で答えています。
上腕と前腕の角度は90度以上で、キーボードに自然に手が届くようにする
出典:情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説(確認日 2026-08-25)
キーボードを置く高さそのものには、cmの数字がありません。 数字で決められているのは、キーボードを乗せる机と、体を支える椅子のほうでした。
表は横にスクロールできます
| 何の高さか | 国の数字 |
|---|---|
| 椅子の座面 (座ったあと) |
37cm〜43cm |
| 机 (高さが変えられない) |
65cm〜70cm |
| 机 (高さを変えられる) |
60cm〜72cmの 範囲で調整できること |
| キーボードの基準列 | 35mm以下(規格) |
キーボードは机の上に置くので、実際に打つ面の高さは「机の高さ+キーボードの厚み」になります。机が65〜70cmで、規格いっぱいの35mmのキーボードを置くと、打鍵する面はおよそ68.5cm〜73.5cmです。
ここで肘の角度が90度より狭くなるなら、キーボードが高すぎます。直す順番は、国が決めています。
1. 椅子を上げる
ガイドラインは「椅子の高さを最適に調整した後、机の高さを調整するとよい」としています。先に肘が90度以上になる座面高(=床から座面までの高さ)を出します。座面高の目安はオフィスチェアの座面高は何cm?国の目安37〜43cmと机の合わせ方にまとめました。
2. 足が浮いたら、足台を使う
椅子を上げると足が床から離れます。ガイドラインも「必要に応じ、足台を備える」としていて、その理由を「足を疲れさせないだけでなく、背中や腰の疲れを防ぐ効果も有するため」と書いています。
3. 机が下げられるなら、机を下げる
高さを変えられる机なら60〜72cmの範囲で下げられます。机の高さの詳しい話はデスクの高さは何cmが正しい?70cmが標準ではなくなった理由にあります。
国の指針は「分離して、位置を調整できること」
寸法とは別に、置き方についての指針もあります。厚生労働省の情報機器作業ガイドラインです。
「キーボードは、ディスプレイから分離して、その位置が作業者によって調整できることが望ましい」
「マウスは、使用する者の手に適した形状及び大きさで、持ちやすく操作がしやすいこと」
「キーボードのキー及びマウスのボタンは、押下深さ(ストローク)及び押下力が適当であり、操作したことを作業者が知覚し得ることが望ましい」
「必要に応じ、パームレスト(リストレスト)を利用できるようにすること」
出典:厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説(確認日 2026-08-07)
求められているのは「分離」と「調整できること」です。机に直接置いた状態で固定されていることは、想定されていません。
「支持台がないと肩のこりが増える」と書かれています
ガイドラインの解説には、調査研究の結果として3つが挙げられています。そのうち2つが、手と腕についてのものでした。
表は横にスクロールできます
| 起きること | 原因として 挙げられているもの |
|---|---|
| 肩のこりや 痛みが増える |
打鍵の際に腕や手首を 乗せる支持台がない |
| 腕の疲れや 痛みが増える |
手の側屈 (尺側変位)が大きい |
| 首のこりや 痛みが増える |
頭の前傾が大きくなる |
手首を乗せる台がないと、肩に来るという指摘です。手首の問題が肩に出るのは、腕を宙に浮かせたまま支え続けることになるからだと考えられます。
側屈(尺側変位)とは、手首を小指側に曲げた状態のことです。肘を体の横に置いたままキーボードの中央を打とうとすると、手首がハの字に曲がります。この角度が大きいほど腕が疲れる、とされています。
姿勢についてはこう書かれていました。
「上腕と前腕の角度は90度以上で、キーボードに自然に手が届くようにする」
自分のキーボードを測ってみる
規格の数値は、家で確かめられます。定規があれば足ります。
1. 基準列の高さ
机の面から、ホームポジションのキーの上面までの高さを測ります。35mmを超えていたら規格の上限を超えています。 30mm以下なら望ましい範囲です。
2. 傾斜角
キーボードの奥に脚(チルトスタンド)があれば、立てた状態と寝かせた状態の両方を確かめます。0〜15度の範囲であれば規格内です。脚を立てると角度が増え、高さも増えます。
3. キーの間隔
隣り合うキーの中心から中心までを測ります。19mm±1mm、つまり18〜20mmが規格です。10個分をまとめて測って10で割ると正確に出ます。
4. パームレストの奥行き
使っている場合は奥行きを測ります。50〜100mmが望ましい範囲です。細すぎると手首の一点で支えることになります。
ノートパソコンは、規格から外れる設計があります
ここが実用的な部分です。ガイドラインの解説に、こう書かれていました。
「ノート型機器には、携帯性を重視した設計(画面が小さい、キーストロークが短い、キーピッチが小さいなど)のものがあり、それらを長時間の情報機器作業に使用する場合には、人間工学上の配慮が必要となる」
キーストロークが短い、キーピッチが小さいと、名指しで挙げられています。上で見た規格の数値と対応させると、次のようになります。
表は横にスクロールできます
| 項目 | 規格 | ノート |
|---|---|---|
| キーの 間隔 |
19mm ±1mm |
狭い 設計が ある |
| スト ローク |
2.0〜 4.0mm |
短い 設計が ある |
| 分離 | 望ま しい |
できない |
そして対応も書かれています。
「ただし、ノート型機器は、通常、ディスプレイとキーボードを分離できないので、小型のノート型機器で長時間の情報機器作業を行う場合については、外付けキーボードを使用することが望ましい」
「必要に応じて、マウス等を利用できるようにすることが望ましい」
「数字を入力する作業が多い場合は、テンキー入力機器を利用できるようにすることが望ましい」
外付けキーボードを使うことが、公的な文書ではっきり推奨されています。 画面についても同じで、そちらはモニターの高さと距離を調べた記事にまとめました。
確認できなかったこと: 具体的にキーピッチ何mm以下、ストローク何mm以下のノートパソコンが対象なのかは、ガイドラインには書かれていませんでした。自分の機種を測って、19mm・2.0mmと比べるしかありません。
買う前に確認しておきたいこと
1. まず測る
高さ35mm、間隔19mm。 この2つを測れば、今使っているものが規格の範囲にあるかが分かります。買い替えの必要がないこともあります。
2. 高さは「キーボード+置き台」で決まります
キーボード自体が薄くても、スタンドや台に載せれば高くなります。 ノートパソコンをスタンドで持ち上げる場合、キーボードも一緒に上がるので、外付けキーボードとセットで考えることになります。
3. パームレストは奥行きを見る
規格の望ましい範囲は50〜100mmです。商品ページには幅と厚みは書かれていても、奥行きが書かれていないことがあります。
4. スタンドを選ぶなら角度も見る
規格の傾斜角は0〜15度です。角度が固定のスタンドだと、この範囲から外れることがあります。オフィスコムでは、ノートPCスタンド・アームに約20点、パソコンスタンドにも約20点が掲載されていました(デスク周辺用品・確認日 2026-08-07)。
向いている人/慎重になったほうがよい人
測る価値があるのは、肩や手首に違和感がある方です。支持台がないことと手首の側屈が、調査で名前の挙がっている原因です。
ノートパソコンだけで長時間作業している方は、キーピッチとストロークを測ってみてください。規格より狭い・短い設計が実際にあると、国の文書が認めています。
慎重になったほうがよいのは、スタンドで高さを上げようとしている場合です。 画面を上げるとキーボードも上がります。35mmという上限があることを知っておいてください。
もう一つは、パームレストを「あれば良いもの」と考えている場合です。 ガイドラインは「必要に応じ、利用できるようにすること」と書いています。必要かどうかは、今の姿勢で腕が浮いているかどうかで決まります。
まとめ
キーボードについて、公開されている情報はこうなっています。
JIS Z 8514に寸法の規格があります。基準列の高さは35mmを超えてはならず、30mm以下が望ましい。 傾斜角は0〜15度、キーの中心間距離は19mm±1mm、ストロークは2.0〜4.0mmが望ましい範囲です。
国の指針は「ディスプレイから分離して、その位置が作業者によって調整できること」。そして「必要に応じ、パームレストを利用できるようにすること」とされています。
調査研究の結果として、手首を乗せる支持台がないと肩のこりや痛みが増える、手の側屈が大きいと腕の疲れや痛みが増えることが挙げられています。
ノートパソコンについては、キーストロークが短く、キーピッチが小さい設計があると国が認めていて、長時間なら外付けが望ましいとされています。
まず定規で測ってください。高さ35mm、間隔19mm。 それだけで、今の環境が規格の中にあるかが分かります。
画面の位置はモニターの高さと距離を調べた記事に、机の高さはデスクの高さは何cmが正しいかを調べた記事に、椅子の座面高は座面高と商品表示のズレを調べた記事にまとめています。
この記事の出典
この記事は、キーボードの寸法を定めているJISの数値を確認し、厚生労働省のガイドラインにある置き方・姿勢の要件と突き合わせたものです。ノートパソコンについての記述は、ガイドラインの解説にそのまま書かれていたものです。
すべて2026年8月7日に確認しました。
- JIS Z 8514:2000 人間工学-視覚表示装置を用いるオフィス作業-キーボードの要求事項(基準列の高さ35mm・傾斜角0〜15度・キーの中心間距離19mm±1mm・変位・押下力・パームレストの奥行き)
- 厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説(分離と位置調整・パームレスト・上腕と前腕の角度・支持台と側屈の調査結果・ノート型機器の設計)
- オフィスコム デスク周辺用品(ノートPCスタンド・パソコンスタンドの掲載点数)
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