デスクとチェアの高さの合わせ方
座面は身長÷4、差尺は身長÷6
そもそも、どんな商品か
机の高さと椅子の座面の高さをどう組み合わせるかの記事です。この2つの差を差尺(さしゃく)といい、机の高さ引く座面の高さで求めます。
机だけ、椅子だけの高さの記事ではありません。それぞれの高さは別の記事にまとめています。ここでは2つを組み合わせたときにどうなるかを扱います。
まず結論だけ
- 合わせるのは高さではなく差(差尺)。業界団体の目安は身長÷6です
- 座面の高さの目安は身長÷4。机はこの2つを足した高さになります
- ⭐学校の机には身長105〜180cmの7段階の表があります。大人の机にはありません
- 国は机60〜72cm・座面37〜43cmと別々に決め、差については0回しか書いていません
机の高さを調べると、72cmという数字が出てきます。椅子の座面を調べると、37〜43cmという数字が出てきます。では、その2つをどう組み合わせればいいのでしょうか。
答えを持っていたのは、学校の机でした。身長105cmから180cmまで、7段階の組み合わせ表があります。何号の机には何号の椅子、と組み合わせが1つに決まっています。
ところが大人の机には、その表がありません。国のガイドラインは机と椅子の高さを別々に決めていて、差については1回も書いていません。
この記事では、差尺の目安を自分の身長の数字に直し、いまの机と椅子がどれだけずれているかを確かめる手順を書きました。座面高そのものの話は、姉妹記事のオフィスチェアの座面高は何cm?国の目安37〜43cmと机の合わせ方にあります。
制度・データは2026年8月27日時点で確認しています。
結論:合わせるのは高さではなく「差」です
机と椅子の高さは、それぞれ単独では決まりません。決まるのは2つの差のほうです。
この差を差尺(さしゃく)といいます。業界団体である日本オフィス家具協会(JOIFA)が使っている言葉です。定義はそのままです。
デスク高さ − 座面高さ
出典:JOIFA 日本オフィス家具協会 安心・安全なイスの選び方(確認日 2026-08-27)
JOIFAが出している目安は2つだけです。
表は横にスクロールできます
| 何を | 目安 |
|---|---|
| 座面の高さ | 身長 ÷ 4 |
| 差尺(机 − 座面) | 身長 ÷ 6 |
机の高さは、この2つを足したものになります。身長170cmの人なら、次のようになります。
表は横にスクロールできます
| 何を | 式 | 数字 |
|---|---|---|
| 座面の高さ | 170 ÷ 4 | 42.5cm |
| 差尺 | 170 ÷ 6 | 28.3cm |
| 机の高さ | 42.5 + 28.3 | 70.8cm |
なぜ差なのかというと、腕と目の位置を決めるのが差のほうだからです。 座面が高くても低くても、天板までが28cmなら、ひじの角度は同じになります。机の高さだけ、椅子の高さだけを見ても、答えは出ません。




身長÷6の裏づけ=学校の机の表とほぼ重なります
差尺に答えを持っている規格がひとつあります。JIS S 1021(学校用家具−教室用机・椅子)です。
小中学校で使う机と椅子について、号数ごとに机と座面の高さが決まっています。号数は標準身長に対応しています。
表は横にスクロールできます
| 号数 | 標準身長 | 机の高さ | 座面の高さ | 差尺 (当サイトの計算) |
|---|---|---|---|---|
| 1号 | 105cm | 460mm | 260mm | 200mm |
| 2号 | 120cm | 520mm | 300mm | 220mm |
| 3号 | 135cm | 580mm | 340mm | 240mm |
| 4号 | 150cm | 640mm | 380mm | 260mm |
| 5号 | 165cm | 700mm | 420mm | 280mm |
| 5.5号 | 173cm | 730mm | 440mm | 290mm |
| 6号 | 180cm | 760mm | 460mm | 300mm |
身長が15cm上がるごとに、次のように動きます。
- 机の高さ:60mm上がる
- 座面の高さ:40mm上がる
- 差尺:20mm広がる
きれいに階段になっています。この差尺をJOIFAの式と突き合わせると、ほぼ重なります。
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| 標準身長 | 表から計算した差尺 | 身長÷6 |
|---|---|---|
| 180cm | 300mm | 300mm |
| 173cm | 290mm | 288mm |
| 165cm | 280mm | 275mm |
| 150cm | 260mm | 250mm |
上のほうではぴったり一致します。 身長÷6という式は、思いつきの数字ではないことが分かります。
大人の机に表がない代わりに、この表を借りられます。自分の身長にいちばん近い号の行を見れば、差尺の目安がそのまま出ます。




大人の机は、国の範囲どおりでも差が17cmから35cmまで開きます
大人用には、同じ形の表がありませんでした。
厚生労働省の情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインが、机と椅子の高さをそれぞれ決めています。パソコンを使う仕事の環境について、国が示している文書です。
表は横にスクロールできます
| 何を | 国が示している範囲 |
|---|---|
| 机(高さを変えられる) | 床から60〜72cm |
| 机(高さを変えられない) | 床から65〜70cm |
| 椅子の座面 | 床から37〜43cm |
出典:厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説(確認日 2026-08-27)
ところが、この2つをどう組み合わせるかは書かれていません。 ガイドライン本文と解説をあわせた20ページのPDFを検索しても、「差尺」は0回です。
端どうしを組み合わせると、何が起きるかが分かります。
表は横にスクロールできます
| 組み合わせ | 差 |
|---|---|
| 机60cm − 座面43cm | 17cm |
| 机72cm − 座面37cm | 35cm |
どちらも国の範囲の中に収まっているのに、差は17cmから35cmまで2.06倍ひらきます。当サイトの計算です。
17cmではひざが天板に当たり、35cmでは肩が上がります。両方とも「国の範囲どおり」なのに、まったく別の座り心地です。
国が決めているのは、それぞれの範囲だけです。組み合わせは決められていません。学校の机には答えの表があって、大人の机にはない、という構図でした。
机だけの話と、椅子だけの話は、別の記事にまとめています。
→ デスクの高さは何cmが正しい?70cmが標準ではなくなった理由 → オフィスチェアの座面高は何cm?国の目安37〜43cmと机の合わせ方

身長別の早見表:座面・差尺・机の3つが一度に出ます
JOIFAの式で計算しました。座面は身長÷4、差尺は身長÷6です。当サイトの計算です。
表は横にスクロールできます
| 身長 | 座面の高さ | 差尺 | 机の高さ |
|---|---|---|---|
| 150cm | 375mm | 250mm | 625mm |
| 155cm | 388mm | 258mm | 646mm |
| 160cm | 400mm | 267mm | 667mm |
| 165cm | 413mm | 275mm | 688mm |
| 170cm | 425mm | 283mm | 708mm |
| 175cm | 438mm | 292mm | 729mm |
| 180cm | 450mm | 300mm | 750mm |
使い方は2ステップです。
- 椅子を座面の高さに合わせる(先に椅子です。理由は後述します)
- 机がその座面+差尺になっているか見る
机の高さが変えられない場合は、足りない差を別の方法で埋めることになります。




売られている机の8割は720mm=身長173cmの人に合う高さです
ここで実売と突き合わせます。オフィス家具通販のオフィスコムに載っているオフィスデスクを数えました。
表は横にスクロールできます
| 数えたもの | 点数 |
|---|---|
| 掲載されているオフィスデスク | 4,454点 |
| 天板の高さが720mmのもの | 3,735点(83.9%) |
数えた結果は、次の記事にまとめています。
→ オフィスコムのデスクの評判は?高さは720mmが8割でした
720mmは、身長何cmの人に合う机なのでしょうか。JOIFAの式では、机の高さは身長÷4+身長÷6です。まとめると、身長×12分の5になります。
逆算します。
720mm ÷ (5/12) = 身長172.8cm
掲載の8割を占める机は、身長173cm前後の人に合う高さでした。 JIS S 1021でいえば、5.5号のあたりです。標準身長173cmの号です。
身長別に、720mmとの差を出すとこうなります。
表は横にスクロールできます
| 身長 | 合う机の高さ | 720mmとの差 |
|---|---|---|
| 150cm | 625mm | 9.5cm高い |
| 160cm | 667mm | 5.3cm高い |
| 170cm | 708mm | 1.2cm高い |
| 173cm | 721mm | ほぼ同じ |
| 180cm | 750mm | 3.0cm低い |
身長160cmの人には、売り場の多数派が5cm高い机です。製品の欠陥ではなく、机の高さが1種類に集まっているから起きています。

差尺だけ合わせると、身長160cmの人は足が5cm浮きます
机が高いときの正しい直し方は、椅子を上げて差尺を合わせることです。 国のガイドラインの解説にも、椅子の調整範囲で足りない場合の対処が書かれています。
ここで2つ問題が出ます。
1つめ。椅子がその高さまで上がるとは限らず、逆に下げきれないこともあります。 オフィスコムの売れ筋モデルで確かめると、こうなりました。
表は横にスクロールできます
| 何を | 数字 |
|---|---|
| 売れ筋3モデルのうち、座面の下限が440mmのもの | 2モデル |
| 身長160cmの人の座面の目安 | 400mm |
| 下げきっても残る差 | 4cm高い |
確かめた記事はこちらです。
→ オフィスコムのオフィスチェアの口コミ・評判は?返品条件も調べた
2つめ。椅子を上げると、足の裏が床から離れます。 身長160cmの人が机720mmに差尺を合わせると、座面はこうなります。
720mm − 267mm = 453mm
目安の400mmより、5cm以上高い位置です。この状態が、いちばん体に来ます。 国のガイドラインは、座り方の基本をこう決めています。
椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とすること。
出典:厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説(確認日 2026-08-27)
足の裏が床に着いていることが条件に入っています。 差尺だけを合わせて足が浮いたら、条件をひとつ壊したことになります。



足が浮いたら、足台で埋めます
そのための道具が足台(フットレスト)です。国のガイドラインは、同じ文の続きでこう書いています。
また、十分な広さを有し、かつ、すべりにくい足台を必要に応じて備えること。
解説には、その理由まで書かれていました。
足台は、足を疲れさせないだけでなく、背中や腰の疲れを防ぐ効果も有するためである
出典:厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説(確認日 2026-08-27)
順番はこうなります。
- 椅子を座面の目安に合わせる
- 机がその座面+差尺になっているか見る
- 机が高くて動かせないなら、椅子を上げて差尺を合わせ、浮いた足の下に足台を入れる
足台がどれくらい売られていないかは、次の記事に書きました。国が名指しした装備なのに、椅子7,389点を売っている店で1点だけでした。
→ オフィスチェアのヘッドレストは必要?国の5つの要件に0回でした

順番は「椅子が先、机があと」と決まっています
ガイドラインの解説に、順番の指定がありました。
高さ調整が可能な机又は作業台を使用する場合には、椅子の高さを最適に調整した後、机の高さを調整するとよい
出典:厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説(確認日 2026-08-27)
椅子が先です。椅子の高さは体(下腿の長さ)で決まり、机の高さは椅子との差で決まるからです。体に近いほうから決める、という順番になっています。
昇降デスクを使っている場合は、この順番がそのまま使えます。椅子を合わせてから、机を座面+差尺の高さまで動かします。
ひとつ但し書きがあります。昇降デスクは下げるほうに制約があり、60cmまで下がる製品は0点でした。
→ 昇降デスクのデメリット|341点を数えたら後悔の理由は「下がらない」でした

買う前・調整する前に確認しておきたいこと
順番に見る項目です。
- 自分の身長から、座面の高さと差尺を出す(上の早見表です)
- いま使っている椅子が、その座面の高さまで下がるか(下限が440mmで止まる製品があります)
- 机の高さが、座面+差尺になっているか(既製品の8割は720mmです)
- 足の裏が床に着いているか(着かないなら足台です。差尺より先にここを見てください)
- 天板の下に、ひざの入るすき間があるか
5番の計算は、次の記事にあります。必要な高さは650mmでした。

まとめ
机と椅子は、それぞれの高さではなく差(差尺)で合わせます。 目安は座面が身長÷4、差尺が身長÷6です。
学校の机には、身長105cmから180cmまで7段階の組み合わせ表があります。 号数ごとに机と座面の高さが決まっていて、差尺は身長÷6とほぼ一致していました。
大人の机には、その表がありません。 国は机と座面の範囲を別々に決めていて、差については0回しか書いていません。端どうしを組み合わせると、17cmから35cmまで2.06倍ひらきます。
売られている机は、8割が720mmです。 合うのは身長173cmの人です。身長160cmなら、5.3cm高い机になります。
直す順番は、椅子が先、机があとです。 机が動かないなら椅子を上げて、浮いた足の下に足台を入れます。

- 合わせるのは高さではなく差尺で、目安は身長÷6です。座面は身長÷4、机はその2つの合計になります
- 国は机と座面の範囲を別々に決め、差については0回です。端どうしでは17cmから35cmまで開くので、範囲どおりでも合うとは限りません
- 売られている机の8割は720mmで、身長173cmの人向けです。それより低い人は、椅子を上げて差尺を合わせ、浮いた足を足台で支えます
この記事の出典
この記事は、厚生労働省のガイドライン本文と解説(20ページ)を全文取得し、「差尺」の出現回数を数えました。JIS S 1021の号数別寸法は、メーカー2社の公表表で突き合わせました。業界団体の式に当てはめて計算しています。
実売の机の高さは、通販の掲載4,454点を集計した数字を再掲しています。制度の確認は2026年8月27日です。
- 厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説(机60〜72cm・座面37〜43cm・椅子を先に調整・足台)
- JOIFA 日本オフィス家具協会 安心・安全なイスの選び方(座面は身長×1/4、差尺は身長×1/6)
- JIS S 1021:2011 学校用家具−教室用机・椅子(寸法表は画像のため、数値はメーカー公表表で確認)
- アイリスチトセ 教育施設カタログ(新JIS規格の号数別寸法)
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- デスクの下は何cm空いていればいい?規格に計算式があります — ひざの入るすき間の計算です
- キーボードの高さは何mm?本体は35mm以下、置く高さは肘で決める — 差尺が決まったあとの手元の高さです
- オフィスコムのデスクの評判は?高さは720mmが8割でした — 4,454点を数えた実売の分布です